オプジーボ等ICIの受療患者向け副作用管理支援ツール「ふくサポ」の提供開始 小野薬品

ふくサポのイメージ

 小野薬品は1日、3Hクリニカルトライアル(3H)と患者の副作用管理支援ツール「ふくサポ」を開発し、同日より提供を開始したと発表した。同ツールの提供は、小野薬品の抗PD-1抗体/抗悪性腫瘍剤「オプジーボ」をはじめとする免疫チェックポイント阻害薬(ICI)で治療を受けている患者の副作用管理を目的としたもの。
 ICIは、免疫細胞を活性化して抗腫瘍効果を発揮するが、その免疫反応が過剰になることで、免疫関連有害事象(irAE)が発現する場合がある。ICIによるirAEは、皮膚、消化器系、内分泌系、神経系など、全身のあらゆる臓器に炎症性の免疫反応が発現するために、発現時期のタイミングが予測しづらく、自覚症状も様々で早期発見が難しいことが知られている。
 また、発見や治療が遅れると重症化につながる場合があるため、ICI治療におけるirAE管理は重要な課題の一つとされている。
 ふくサポは、ICIで治療を受けている患者の体調管理を通して、副作用、特にICIによるirAEの早期発見・早期治療の手助けとなる支援ツールである。
 ふくサポは、3Hが電子患者日誌として開発した3H P-Guardianを基盤としており、患者が日々の体調を記録する患者さんのスマートフォン用の「ふくサポ患者アプリ」と、医療従事者が患者の入力データを逐次確認できる「ふくサポ医療者Web」の2つのシステムで構成されている。
 患者が日々の体調を同アプリに入力すれば、副作用、特にirAEが疑われる症状やその程度が記録された際に、アラートを同アプリに表示し、患者に医療機関への連絡を促すことが可能だ。
 また、同Webでは、患者の入力情報をタイムリーかつ円滑に医療従事者と共有することが可能である。さらに、患者と離れて暮らしている家族が、患者の日々の体調記録を確認することができる見守り機能も装備されている。

ふくサポの主な機能と特徴は、次の通り。
<本アプリ>

・患者の毎日の体調記録が行える質問票機能
・質問票で副作用と疑われる症状やその程度を選択した場合のアラート表示機能
・がん関連情報を毎週配信する情報機能
・家族が質問票の入力状況・内容を確認できる見守り機能

<本Web>

・タイムリーな質問票入力結果の確認機能
・患者が副作用が疑われる症状やその程度を記録した場合のアラート表示機能
・質問票入力結果のCSV、PDFファイル形式出力機能
指定e-mailアドレスへのアラート通知送信機能

<特徴>
・皮膚症状など言語化しにくい情報を写真で保存し、医療従事者と共有が可能
・質問票入力結果をグラフ化して表示可能
 なお、同ツールは医療機器ではない。
 小野薬品は、ICI治療における課題解決への取り組みの一環として、「ふくサポ」を提供し、ICI治療を受けている患者の在宅療養時の体調管理および副作用管理を支援することで、患者のセルフマネジメントに対する意識の向上とともに、irAEの早期発見・早期治療を推進していく。

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