日本イーライリリーは27日、ヒト化抗ヒトIL-23p19モノクローナル抗体製剤「オンボー」について、同日、中等症から重症活動期クローン病の適応追加承認を取得したと発表した。
対象は、既存治療で効果不十分な中等症から重症の活動期クローン病。同剤は、国内において日本イーライリリーが製品供給を担当し、持田製薬が流通・販売、および情報提供活動を担っている。
オンボーは、腸管の炎症に関与するサイトカインであるIL-23のp19サブユニットを標的とすることで、消化管内の炎症を軽減するヒト化IgG4モノクローナル抗体である。
2023年3月に既存治療で効果不十分な中等症から重症の潰瘍性大腸炎の治療薬として承認され、今回、既存治療で効果不十分な中等症から重症の活動期クローン病の治療薬として適応追加の承認取得した。
今回の承認取得により、オンボーは狭義の炎症性腸疾患(IBD)のいずれにも使える医薬品になった(剤形は点滴静注300mg、皮下注100mgオートインジェクター、皮下注100mgシリンジのみ)。
今回のオンボーの承認は、国際共同P3相無作為化比較試験(VIVID-1試験)および長期継続試験(VIVID-2試験)の有効性および安全性の結果に基づくもの。VIVID-1試験では、従来の治療や生物学的製剤による治療で効果不十分、二次無効あるいは不耐を示した中等症から重症の活動期クローン病の成人患者を対象に、主要評価項目において、プラセボと比較して有意差が認められた。
◆ロータス・モールブリス日本イーライリリー自己免疫事業本部長のコメント
クローン病の症状によって社会生活に支障をきたしている患者さんのQOL向上のための新しい選択肢として貢献したい。
◆宮嶋謙二持田製薬の執行役員医薬営業本部長のコメント
潰瘍性大腸炎に加え、クローン病に関しても、医療関係者の皆様への適切な情報提供活動に取り組むとともに治療の選択肢を広げ、患者さんのQOL向上に貢献していきたい。