新型コロナに対する高度免疫グロブリン製剤開発加速で提携  武田薬品とCSL Behring

 武田薬品とCSL Behring(米国)は6日、新型コロナウイルス感染症の治療薬となり得る血漿分画製剤の開発に関する提携契約を締結し、同提携にBiotest、BPL、LFB、Octapharmaの各社が参画したと発表した。同提携は、各企業が既に保有する先進的な専門性と実施中の取り組みの活用により、新型コロナウイルス感染症に対する高度免疫グロブリン製剤開発の加速を目的としたもの。
 これにより提携企業・機関の専門家は、血漿採取、臨床試験の企画実施、製造などの主要な取り組みにおいて協力をスタート。新型コロナウイルス感染症による重篤な合併症を有する患者の治療薬となり得るノーブランドの抗SARS-CoV-2ポリクローナル高度免疫グロブリン製剤の臨床開発に直ちに着手する。なお、同提携には、さらに他の企業や機関が参加する可能性がある。
 高度免疫グロブリン製剤の開発には、新型コロナウイルス感染症から完全に回復し、新型コロナウイルスに対する抗体を持つ多くの患者から血漿の提供を受ける必要がある。「回復した人々」から収集された血漿は製造施設に輸送され、そこでウイルス不活性化および除去プロセスを含む特別な処理を経て、製品として精製される。
 武田薬品のPlasma-Derived Therapies Business Unit のPresident である Julie Kim 氏は、「全ての参加企業が、互いに協力し、リソースを結集することで、治療薬候補の上市を加速させるとともに、供給量も増加させうると考えている」と強調。さらに、「我々は、血漿分画製剤の開 発に重点を置き、本提携にサポートあるいは参画いただける企業・機関を集めている」と呼びかけている。
 CSL Behring のExecutive Vice President でHead of Research and DevelopmentのBill Mezzanotte氏 は、「業界全体でのリソース収集に加え、提携企業が一体となり、政府やアカデミアとも臨床試験のような重要な取り組みに対してできる限り協力していく」と明言し、「本提携により、ステークホルダーにとっても、この多忙な時期においてより効率的な運営が可能になる」と述べている。

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