武田薬品は4日、Keros Therapeutics社とelriterceptの中国本土、香港、マカオを除く全世界での開発、製造、商業化に関する独占的なライセンス契約を締結したと発表した。
武田薬品は、同契約の効力発生日において、全ての開発、製造、商業化について責任を負う。同社は、Keros Therapeutics社に対して2億ドルの前払い金、および規制、開発、商業販売のマイルストーンに関連して今後発生する可能性のある支払い、ならびに売上高に対するロイヤリティを提供する。この契約は、反トラスト審査の完了を含む慣例的なクロージング条件に従う。
elriterceptは、骨髄異形成症候群(MDS)および骨髄線維症(MF)など一部の血液がんに関連する貧血を治療するために設計された、後期段階の開発中のアクチビン阻害剤である。
elriterceptは、米国FDAから、very lowリスク、lowリスク、intermediateリスクMDSの治療開発に対して、ファストトラック指定を受けている。
MDSおよびMFは、血液細胞の産生が不十分であり、しばしば重度の貧血を引き起こし、患者の健康とQOLに大きな影響を与える。elriterceptは、貧血関連疾患において重要な役割を果たすと考えられているアクチビンAおよびBタンパク質を標的としている。
初期の臨床試験では、elriterceptはvery lowリスク、lowリスク、intermediateリスク MDS患者において単剤療法として、またMF患者において標準治療と併用して、有望な臨床効果と管理可能な安全性プロファイルを示した。
elriterceptについて現在2つの臨床第2相試験が進行中で、一つはvery lowリスク、lowリスク、intermediateリスク MDS患者に対する試験、もう一つはMF患者に対する試験である。very lowリスク、lowリスク、intermediateリスク MDSの輸血依存性貧血の成人患者に対するelriterceptの評価を行うP3相RENEW試験は、まもなく登録を開始する。武田薬品は、これらのがんにおける患者層、治療全体においてelriterceptを評価する予定である。
◆テレサ・ビテッティ武田薬品グローバル オンコロジー ビジネス ユニットプレジデントのコメント
elriterceptは、当社の戦略的な注力領域の一つである血液がんの患者さんにとって、意味のある変化をもたらす可能性がある。elriterceptが加わることにより、当社のオンコロジーパイプラインはさらに強化され、当社にとって将来の成長ドライバーとなる可能性がある。この潜在的な治療選択肢を患者さんに届けるために、Keros Therapeuticsチームが開始した先駆的な取り組みをさらに進めていくことを、とても楽しみにしている。