住友ファーマは30日、理化学研究所、大阪大学、ヘリオスと共に特許を有する「網膜色素上皮細胞の製造方法」の使用を巡る裁定請求について、ビジョンケア(代表取締役社長 CEO髙橋政代氏)、VCT 社(代表取締役社長髙橋政代氏)と和解が成立し、事案が終結したと発表した。
2021年7月13日付でビジョンケアおよびVCT社が経済産業大臣に対して、理化学研究所、大阪大学およびヘリオスを特許権者とする「網膜色素上皮細胞の製造方法」に関する特許法に基づく公共の利益のための通常実施権の設定の裁定を求めていたもの。
同和解により、ビジョンケアとVCTは、網膜色素上皮(RPE)不全症を対象とした自由診療における実施症例数30例においてのみ自家iPS細胞由来網膜色素上皮細胞の製造、譲渡などが認めるられることになった。
住友ファーマおよびヘリオスは、網膜色素上皮裂孔を有する患者を対象に他家iPS細胞由来RPE細胞「HLCR011」(P1/2段階)の開発を進めているが、同事業への影響は軽微であると判断している。
住友ファーマは、ヘリオスとともに、同特許権を利用して、HLCR011の臨床試験を推進し、早期実用化を目指す。