乾英夫現会長を次期会長候補者として承認 大阪府薬総会・代議員会

乾氏

 大阪府薬剤師会は19日、同会館で第18回臨時総会・第143回通常代議員会を開催し、現会長の乾英夫氏を次期会長候補者として承認した。また、2022年度事業計画並びに予算案や、「大阪医科薬科大学病院敷地内薬局に関する反対意見表明」の緊急動議ついても承諾した。乾氏は、6月18日開催の第19回定時総会・第144回通常代議員会で正式承認される。
 その他、会営南河内薬局は3月31日に廃止され、地元会員法人の「せいき」(大阪府富田林市)が運営を引き継ぎ「キタバ南河内薬局」として新たにスタートすることも報告された。
 次期会長候補者として承認された乾氏は、「2025年地域包括ケア構築に向けて本年4月からの調剤報酬改定が行われた。その中で、薬局・薬剤師の対人業務については評価が得られた。加えてリフィル処方箋の仕組みが新設された」と説明。
 その上で、「大阪府薬では、薬剤師・薬局が医療・介護・福祉の中で地域の一翼を担う存在になれるようにしっかりと支援していきたい」と訴求した。

渡嘉敷氏


 続いて渡嘉敷奈緒美前衆議院議員が、「薬剤師の皆さんは、7月の参議院選挙、コロナへの対応、診療報酬改定、後発品医薬品不足、など色々な問題を抱えながら医療現場で頑張っておられる。今でも厚労省関係はパイプがあるので、何か困ったことがあれば声をかけて頂きたい」とあいさつ。
 さらに、「今回の診療報酬改定で薬剤師が切り込まれたのは、私と松本純先生の落選の影響が無きにしも非ずと考えている。薬剤師の政治家が一議席持つのは非常に重要なので、神谷まさゆき候補をしっかりと応援してほしい」と呼びかけた。
 2022年度事業計画は、「地域医療・保健・福祉におけるかかり付け薬剤師・薬局の定着と活用」、「かかりつけ薬剤師・薬局の質的向上による医薬分業の完成」、「オンライン資格認証、電子処方箋等のデジタル化対応への支援」、「災害および新型コロナ感染症に係る感染予防対策と医薬品供給への対応」などを主な柱とする。2022年度には、西館・本館の外壁等の改修もスタートする。
 新型コロナへの対応では、乾会長が「昨年4月に薬剤師がコロナワクチン接種の担い手として期待されたが、残念ながら見送りになった」経緯を説明した上で、「大阪府薬では、昨年12月、新型コロナワクチン接種の日薬研修プログラムに沿った研修会を日本で初めて開催した。この研修は、2022年度もしっかりと進めて行きたい」と強調した。
 「大阪医科薬科大学病院敷地内薬局に関する反対意見表明」の緊急動議は、同大学病院が立地する高槻市の石田佳弘代議員(高槻市薬剤師会会長)から出されたもの。
 石田氏は、「大阪医科薬科大学は、大阪医科大学と大阪薬科大学が合併して設置された経緯があり、教育機関として将来の薬剤師職能を発展させる立場にある」と断言し、「敷地内薬局の設置は決して容認されるものではない」と語気を強めた。
 乾会長も「断じて許されるものではない。我々執行部もこの情報を入手しており、大学法人に申し入れを行う準備をしている。具体的な方法については執行部に一任してほしい」との考えを示した。
 会営河内薬局は、国立南大阪病院の院外処方箋応需を契機にスタートし、以来32年の長きに渡って地域の基幹薬局として役割を担ってきた。近年、医薬分業の伸展に伴い会営薬局の役割が大きく変化する中、運営等の問題も含めて本年3月31日を以て廃止が決定された。
 大阪府薬では、会営河内薬局の譲渡先を無菌製剤の持続などを条件に会員企業に公募し、4件の候補の中から選考委員会が地元のせいきを採択。4月1日から「キタバ南河内薬局」として新たなスタートを切る。
      

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