CMV化学療法剤「プレバイミス」 臓器移植でのCMV感染症発症抑制で適応追加承認取得 MSD

 MSDは17日、抗サイトメガロウイルス化学療法剤「プレバイミス」について、臓器移植におけるサイトメガロウイルス(CMV)感染症の発症抑制の適応追加承認を取得したと発表した。
 CMVは、幼少期に感染し、不顕性感染の形で、宿主に生涯潜伏し続けることが一般的だ。だが、免疫抑制状態下では潜伏していたCMVの再活性化や新たな感染により、腸炎、肺炎、網膜炎などの重篤なCMV感染症を引き起こして、死に至るケースもある。臓器移植を受けた患者は、免疫力が著しく低下していることからCMV感染のリスクが高く、そのことが移植片拒絶をはじめ、移植後の予後に関わっていると報告されている。日本において、臓器移植は年間約2300件が実施されている。
 「プレバイミス」は、ヒトには存在しないCMVのDNAターミナーゼを阻害することでウイルスの増殖を抑制するCMVターミナーゼ阻害剤である。今回の承認は、非日本人腎移植患者601例を対象とした海外P3試験(002試験)において、CMV 感染症に対する本剤の発症抑制効果がバルガンシクロビルに対して非劣性でかつ骨髄抑制を示す有害事象(好中球減少症、白血球減少症)がバルガンシクロビルよりも少なく、日本人腎移植患者22例を対象とした国内P3試験(042試験)において日本人腎移植患者でも同剤の有効性が示唆され、安全性に日本人特有の懸念がないと考えられたことに基づいている。
 また、同剤の作用機序および想定される薬物動態により、腎臓以外の臓器移植患者についても腎移植患者と同様の有効性が期待されることから、臓器移植全般として効能又は効果が設定された。

タイトルとURLをコピーしました