大阪大学、高研と半月板損傷修復医療機器開発で契約締結 ロート製薬

 ロート製薬は19日、半月板損傷の修復を目的とした医療機器開発に関して、ロート製薬と大阪大学でライセンス契約を、同社と高研で製造委託契約を締結したと発表した。
 ロート製薬は、総合経営ビジョン「Connect for Well-being」を掲げ、一人ひとりのウェルビーイングな生活を支えるため、既存領域にとどまらず様々なヘルスケア領域において挑戦を続けている。
 半月板は、膝関節の中で、大腿骨と脛骨の間にある軟骨様の組織であり、クッションの役割を果たしている。膝に大きな負荷がかかると損傷し、自然治癒力は限られていることが知られている。半月板を損傷すれば、膝の屈伸時に痛みや引っ掛かりの症状が発生し、将来的に変形性膝関節症の原因になり得るなど、長期間にわたり歩行や運動に悪影響を及ぼすことになる。
 半月板損傷に対しては、半月板縫合術あるいは半月板切除術が行われるが、十分な修復が期待できない症例も存在し、あるいは長期的には半月板組織が悪化し、痛みが再燃する症例も少なくないと考えられている。
 大阪大学大学院医学系研究科 健康スポーツ科学講座スポーツ医学教室(中田研教授)と高研は、このような半月板損傷に伴う治療課題を解決するために研究開発を実施してきた。高研はアテロコラーゲンを用いた医療機器の開発や製造において長年の経験、実績を有する。これらの知見を基に半月板損傷の治療課題を解決するアテロコラーゲン素材の開発に成功し、大阪大学大学院医学系研究科 健康スポーツ科学講座スポーツ医学教室において非臨床試験、さらには臨床研究を実施してきた。
 これら実績を踏まえて、ロート製薬が同素材の治験・販売を実施することを目的として契約に基づき、規制当局と協議を進めることになった。
 現時点で、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に規定する製造販売承認を取得した半月板損傷を修復させる素材は、国内に存在していない。同素材を医療機器として開発することで、半月板損傷の患者に対し、新しい治療選択肢を提供することができるものと期待される。

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