ビレーズトリ EBISU studyで喘息合併・喘息既往のない日本のCOPD患者症状・QOLを12週間で改善 アストラゼネカ

アストラゼネカは8日、COPD治療配合剤「ビレーズトリ」について、日本の多施設共同前向き観察研究である EBISU study において、喘息合併あるいは喘息既往のない慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の症状やQOLを12週間で改善したと発表した。
 ビレーズトリは、ブデソニド/グリコピロニウム臭化物/ホルモテロールフマル酸塩水和物の3剤配合剤。同試験結果は、第64 回日本呼吸器学会学術講演会で発表された。
 今回の発表では、COPD が健康と日常生活にどのような影響を与えているかを評価する COPDassessment test (CAT)スコアにおいて、ビレーズトリ投与開始前(ベースライン)から 12 週間の平均変化量が-2.9となり、有意な改善が認められたことを報告。
 この値は、臨床的意義のある最小変化量である2を上回っていた。同様に、疾患特異的QOLを評価するSGRQスコアにおいてもベースラインから12週間の平均変化量が-2.7となり、有意な改善が認められた。
 両スコアともに4週後及び12週後においても有意に改善した。サブグループ解析では、血中好酸球数に関わらず、また前年度増悪がなくてもCATスコアの改善が示され、CAT≧10 の症状が残存するCOPD患者に対してビレーズトリによる治療は有用であることが示唆された。

◆同研究Scientific Advisory Committeeメンバーの室繁郎氏(奈良県立医科大学呼吸器内科学講座教授、日本呼吸器学会常務理事)のコメント
 EBISU study は、増悪を主要評価項目としていたこれまでの臨床試験とは異なり、日本の実臨床でより重視されている患者報告アウトカム(PRO)を主要評価項目としている。
 12週間でCATやSGRQスコアの改善が認められ、その改善が4週という早期で認められた点は、ビレーズトリによる治療を開始する医師にとって臨床的に有用な情報である。
 さらに、ビレーズトリは末梢血好酸球数や前年度増悪歴に関わらず、症状が残存する幅広いCOPD患者さんの治療に貢献できることが示された。今後のCOPD 治療において、よりよい診療につながる重要なエビデンスであると考えられる。

◆田中倫夫ストラゼネカ執行役員・メディカル本部長のコメント
 今回の研究により、CAT≧10の症状が残存しているCOPD患者さんに対して、ビレーズトリが症状やQOLを改善することが示された。
 今後もアストラゼネカはCOPD領域において、適切な診断・治療による COPD 患者さんの現在の症状軽減及び長期の予後改善を目指し、引き続きサイエンスを追求していく。

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