先天性プロテインC欠乏症起因疾患治療薬「セプーロチン」 日本で製造販売承認取得 武田薬品

 武田薬品は26日、「セプーロチン」(乾燥濃縮人プロテインC)について、先天性プロテインC欠乏症に起因する静脈血栓塞栓症、電撃性紫斑病の治療および血栓形成傾向の抑制を効能又は効果として厚労省より製造販売承認を取得したと発表した。
 先天性プロテインC欠乏症は、肝臓で産生されて血液凝固を抑制する働きがあるプロテインCが先天的に欠乏していることにより血液凝固亢進状態となり、ときに致死的な血栓症を発症する。
 特に、新生児から乳幼児では、脳梗塞、脳静脈洞血栓症などの重篤な頭蓋内病変がしばしば生じ、さらには電撃性紫斑病や硝子体出血などの重篤な症状を急速に発症し、生涯にわたり重篤な後遺症を残すことが多い疾患である。
 同承認は、主に日本人の4~27歳の先天性プロテインC欠乏症患者5例を対象とした国内P1/2試験(NCT04984889)および非日本人の先天性プロテインC欠乏症患者を対象とした2つの海外P2/3試験(IMAG-098試験、400101試験)に基づくもの。
 国内P1/2試験は、薬物動態試験パートおよび継続試験パートから構成される。継続試験パートにおいて、セプーロチンは、電撃性紫斑病エピソードに対しての急性期投与(4例/8件)および短期補充投与(1例/1件)において有効性を示した。
 副作用は、薬物動態試験パートで5例中1例(20.0%)に発熱が認められ、継続試験パートでは認められなかった。

◆廣田直美武田薬品PDT R&D Japan リージョナルヘッドのコメント
 世界40カ国以上で販売されているセプーロチンが日本で承認されたことを嬉しく思う。先天性プロテインC欠乏症は重篤な場合、生涯にわたり後遺症を残したり、亡くなってしまうこともある疾患である。
 先天性であることから新生児期から乳幼児期に診断し早期に治療することが重要になる。セプーロチンを新たな治療選択肢として提供し、先天性プロテインC欠乏症の患者さんに貢献できることを誇りに思う。

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