成人向け21価肺炎球菌結合型ワクチン P3試験で良好な結果 MSD

 MSDは22日、成人向けに特化して設計された開発中の21価肺炎球菌結合型ワクチンV116について、複数のP3相試験で良好な結果が得られたと発表した。
 これらのデータは、南アフリカのケープタウンで開催されている第13回国際肺炎・肺炎球菌性疾患学会で発表された。
 臨床試験でV116は、肺炎球菌ワクチン接種歴のない成人、肺炎球菌ワクチン接種歴のある成人、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染者を含む肺炎球菌感染症のリスクの高い成人などの様々な成人集団において、ワクチンが対応する全21種類の血清型に対して免疫原性を示した。
 また、V116固有の血清型については、本学会で発表されたすべてのSTRIDE試験(一連のV116試験プログラム)で、比較対照とされたワクチンより高い免疫応答が誘導された。各試験の主な結果は、次の通り。

・肺炎球菌ワクチン接種歴のない50歳以上の成人(STRIDE-3試験サブグループ)において、V116は試験対象のすべての年齢層(50〜64歳、65〜74歳、75〜84歳)で、全21種類の血清型に対する免疫原性を示した。免疫原性は接種後30日目の血清型特異的オプソニン化貪食活性(OPA)の幾何平均抗体価(GMT)で評価された。

・肺炎球菌ワクチン接種歴のある50歳以上の成人(STRIDE-6試験)において、V116はPCV15(15価肺炎球菌結合型ワクチン)またはPPSV23(23価肺炎球菌ポリサッカライドワクチン)と比較して共通の血清型については同程度の免疫応答を誘導し、V116のみが対応する血清型についてはより高い免疫応答を誘導しました。これは以前に接種した肺炎球菌ワクチンの種類や前回接種からの経過時間に関わらず認められた。免疫応答は接種後30日目の血清型特異的OPA GMTで評価された。

・18歳以上のHIV感染者(STRIDE-7試験)において、V116はPCV15+PPSV23と比較して共通の全13種類の血清型については同程度の免疫応答を誘導し、V116のみが対応する8種類の血清型についてはより高い免疫応答を誘導した。免疫応答は接種後30日目の血清型特異的OPA GMTおよび免疫グロブリンG(IgG)幾何平均濃度(GMC)で評価された。

・発表したすべての試験において、V116の安全性プロファイルは、比較対照としたPCV20(20価肺炎球菌結合型ワクチン)、PCV15、PPSV23と同様であった。

◆ウォルター・オレンスタインEmory University医学部疫学・グローバルヘルス・小児科の名誉教授のコメント
 侵襲性肺炎球菌感染症や肺炎球菌性肺炎は、特に高齢者や免疫が低下した人では重症化することがある。今回の良好なデータにより、V116が成人の肺炎球菌感染症予防のアンメットニーズに対応できる可能性が示された。

◆エリアブ・バールMSD研究開発本部シニアバイスプレジデント、グローバル臨床開発責任者、チーフメディカルオフィサーの(博士)のコメント
 当社は、V116が幅広い成人層に臨床的価値をもたらす可能性があると考えており、こうした私たちの確信は、今週発表された広範なデータで改めて確認された。V116が成人の侵襲性肺炎球菌感染症の大半の原因である血清型に対する免疫応答を誘導することがこれらの試験の結果で示され、心強く思う。

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