小野薬品は13日、Shattuck社と自己免疫疾患・炎症性疾患に関与する標的に対する二価機能性融合タンパク質の創製で創薬提携・オプション契約を締結したと発表した。
同契約の締結に基づき、Shattuck社は独自の改変タンパク質の創製技術を用いて、標的に対する融合タンパク質を創出し、さらなる最適化と臨床開発のための医薬品候補を小野薬品に提供する。
小野薬品は、同提携により創出される複数の医薬品候補を全世界で独占的に開発・商業化するためのオプション権を取得する。小野薬品はShattuck社に対して研究資金を支払うとともに、契約一時金、研究開発および売上高の進捗に応じたマイルストンを総額で最大2.27億ドル、ならびに上市後の売上高に応じた段階的なロイヤルティをShattuck社に支払う。
二価機能性融合タンパク質は、疾患に関連する二種類の標的を制御するもの。Shattuck社がこれまでに実施した非臨床試験において、その免疫制御作用が確認されており、幅広い自己免疫疾患・炎症性疾患に有効性を示すことが期待される。
◆滝野 十一小野薬品取締役専務執行役員研究本部長のコメント
我々は、幅広い疾患において未だ満たされていない医療ニーズに応えるため、バイオ医薬品の創製に積極的に取り組んでいる。Shattuck社独自の改変タンパク質の創製技術は、これまでの技術では困難であった治療標的に対する機能的なタンパク質の創製を可能にするもので、Shattuck社の研究開発力と専門知識を高く評価している。
今回の提携契約を通じて、Shattuck社の研究チームと協働できることを大変うれしく思う。我々は、Shattuck社が創出した二価機能性融合タンパク質を私たちのポートフォリオに加え、自己免疫疾患・炎症性疾患の患者さんに革新的な医薬品を一日も早くお届けできるよう取り組んでいく。
◆Taylor Schreiber Shattuck社CEOのコメント
科学的イノベーションの実績を有する小野薬品との協働を開始できることをうれしく思う。この提携は、複雑な融合タンパク質に関する私たちの創製技術と開発における専門知識が高く評価されたことで実現に至ったと考えている。
我々は、引き続きアンメットニーズの高い疾患領域をより広く網羅するために、一部の前臨床パイプライン候補については自己免疫疾患および炎症性疾患を優先領域として取り組んでいる。今回の提携は、我々の二価機能性融合タンパク質プラットフォームと科学的な専門知識からさらなる価値を生み出す戦略を推進するものである。