4年ぶりに新年互礼会開催 大阪府薬

乾氏

 大阪府薬剤師会は6日、大阪市内のホテルで4年ぶりの新年互礼会を開催した。
 主催者あいさつの中で乾英夫大阪府薬会長は、まず、1月1日に発生した能登半島地震について、「災害対策本部を立ち上げ調剤支援者や災害薬剤師の出動を進めている」と報告した。
 さらに、今般の保険薬局の課題として、①物価高騰・賃金上昇に対応するために必要な診療報酬改定・財源の確保、②6年連続の薬価改定による急速な償還価格の下落と備蓄医薬品の資産価値の減少、③3年以上に及ぶ製薬企業の医薬品不足に起因する負担業務による疲弊、④医療・薬局DX対応による経済的負担ーを指摘した。
 その上で、「こうした中、2024年度診療報酬改定は、2025年を見据えた介護報酬・障害福祉サービス等の報酬とのトリプル改定となり、日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会の三師会、国会議員のご尽力により、昨年末、診療報酬本体部分は調剤報酬に関して+0.16%、薬価は-1%となり、医科、歯科、調剤の比率1:1:0.3も維持された」と報告した。
 昨年1月に運用開始した電子処方箋の対応やオンライン資格確認等ICT活用による薬局DXの取り組みについては、「より充実した対人業務に繋がる」と強調。昨年8月に開催した大阪府薬学術カンファレンスは「研究マインドを兼ね備えた薬剤師の養成を目的に引き続き次年度も実施する」考えを示し、「本年11月10日開催の第26回近畿薬剤師学術大会における積極的な会員発表」を呼びかけた。
 その他、大阪府薬の取り組みとして、「緊急避妊薬の一部薬局での試験販売」や「若者の一般用医薬品のオーバードーズ防止啓発活動の展開」などを紹介した後、「本年が皆さんにとって機運が上昇し、世の中が明るくなる年となるよう祈念したい」と訴えかけた。

尾島氏


 続いて尾島博司大阪府薬剤師連盟会長は、「昨年、マイナス改定の提言を受けていた診療報酬は、三師会の要請に応えて頂いてなんとか0.88%のプラス改定にして頂いた。調剤報酬は0.16%の上昇を得たので、何とか賃上げできると喜んでいる」と報告し、「これは多くの国会議員の先生方のご理解・ご支援の賜である」と深く感謝の意を示した。
 さらに、「行政・その他の団体の方々は大阪府薬、議員の先生方には大阪府薬連盟が中心となって連携を深め、正しい情報交換をしながら大阪府民の健康増進に努めたい」と訴求した。
 来賓祝辞では、「2025年大阪・関西万博の開幕まで1年余りとなった。命や健康をテーマに未来への希望を世界に示すことで、人々の行動変容を促し、世界の課題解決に繋げていきたい。ご支援・ご協力をお願いしたい」との吉村洋文大阪府知事からの祝辞が代読された。

高井氏

 高井康之大阪府医師会会長は、「現在、インフルエンザの流行・新型コロナの変異もあり、薬剤師会の皆さんには引き続き我々と協力し調剤等でご協力いただきたい」と呼びかけた。

山本氏

 山本信夫日本薬剤師会会長は、「元旦に発生した能登半島地震では、日薬も即日災害対策本部を立ち上げて適切な支援対策の準備を進めている」と明言した。
 また、診療報酬改定にも言及し、「賃上げ中心の病院薬剤師への配慮もあった改定となった」と感想を述べると供に、「薬に関しては6年間の薬価改定の影響は大きい。これ以上の薬価引き下げは非常に懸念されるところで、是非防いで頂きたい」と力説した。

本田氏
とかしき氏

 本田顕子参議院議員(薬剤師)は、「4月からスタートする第8次医療計画の中に、災害薬事コーディネーターが明記される。先生方との連携の元に、医療連携が始まる希望の年となることを祈念したい」、とかしきなおみ前衆議院議員(薬剤師)は、「能登半島地震の被災地にSNSで薬の情報を積極的に配信している。国会議員としてまた皆様のお役に立てる仕事ができるように頑張っていきたい」と祝辞を述べた。

「オーバードーズ防止啓発楽曲『悲しき避難場所 オーバードーズ』を披露するリーピート山中氏


     

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