イミフィンジとベバシズマブの併用療法 肝動脈化学塞栓療法P3試験で主要評価項目達成 アストラゼネカ

 アストラゼネカは17日、イミフィンジとベバシズマブとの併用療法について、P3相EMERALD-1試験において、肝動脈化学塞栓療法(TACE)対象の肝がん患者に対し無増悪生存期間に関する主要評価項目を達成したと発表した。
 TACE対象の肝細胞がん(HCC)の患者さんを対象とした同試験において、アストラゼネカのイミフィンジとTACEおよびベバシズマブとの併用療法は、TACEの単独療法と比較して主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長をもたらすことが示されたもの。同試験では、引き続き副次評価項目である全生存期間(OS)を評価する。
 HCCは肝がんにおいてもっともよく見られる種類のがんである。肝がんは世界でがんによる死因の第3 位で、毎年世界で90万人の患者が診断されると推定されている。
 患者の約20~30%が TACEの対象となる。TACE は、腫瘍への血液供給を遮断するとともに、化学療法や放射線療法を肝臓に直接届けることができる治療法である。
 TACE は、その対象患者さんにおける標準治療であるにもかかわらず、TACE を受けたほとんどの患者で短期間の内に病勢進行または再発が起こる。
 イミフィンジとTACEおよびベバシズマブとの併用療法の安全性プロファイルは、各薬剤の既知のプロファイルと一貫していた。
 今回のデータは近日中に学会で発表し、規制当局とも共有される予定である。

◆EMERALD-1試験治験責任医師のRiccardo Lencioni 氏(ピサ大学病院放射線診断・IVR 科教授兼がん画像診断プログラム責任者)のコメント
 TACEの対象となる肝がん患者さんは進行または再発する割合が高く、効果的な全身療法による早期介入を受けるチャンスがない。
 今回のイミフィンジとベバシズマブとの併用療法の結果は、TACEと免疫療法の併用でPFSが有意に延長することを初めて示したもので、予後不良であるこの複雑な疾患の治療に変化をもたらす可能性がある。

◆Susan Galbraithアストラゼネカオンコロジー研究開発エグゼクティブバイスプレジデントのコメント
 今回、イミフィンジをベースとした治療の良好な結果が EMERALD-1 試験において得られたことで、より早期ステージの肝がんの患者さんに免疫療法を提供できる可能性がもたらされるかもしれない。
 我々は、本データを規制当局と協議するとともに、この新たな治療選択肢を患者さんにお届けすることを目指す上で重要となる今後蓄積する生存期間データを確認していきたいと思っている。

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