メルクとパトリツマブ デルクステカンなどDXd-ADC 3製品のグローバル開発及び販売で提携 第一三共

契約時一時金6000億円、最大3兆3000億円受領

 第一三共は20、同社独自のDXd-ADC技術を用いた3つの製品であるパトリツマブ デルクステカン(HER3-DXd/U3-1402、抗HER3 ADC)、DS-7300(I-DXd、抗B7-H3ADC)及びDS-6000(R-DXd、抗CDH6 ADC)について、メルク(北米以外ではMSD)と全世界での開発及び商業化契約を締結したと発表した。同契約の下、第一三共は最大220億ドル(約3兆3000億円)を受け取る。内訳は、契約時一時金40億ドル(約6000億円)、後払い一時金15億ドル(約2250億円)及び販売マイルストン最大165億ドル(2兆4750億円)。
 両社は、第一三共のADCに関する専門性及びDXd-ADC技術と、メルクのがん領域における豊富な経験及び優れた開発力を合わせ、様々ながん患者に3製品を広範囲かつ迅速に提供するため、全世界(当社が独占的権利を有する日本は除く)において、3製品を共同で開発し、商業化する。3製品の製造及び供給は第一三共担う。
 3製品は、複数の固形がんを対象とした単剤療法や併用療法において、様々な開発ステージにある。パトリツマブ デルクステカンは、EGFR変異を有する前治療歴のある非小細胞肺がんを対象として2023年度下期に米国で承認申請予定である。DS-7300は、前治療歴のある進展型小細胞肺がんを対象としたP2相臨床試験を実施中。DS-6000は、卵巣がん等を対象としたP1試験を実施中である。

 第一三共は、メルクから、DS-7300について契約時に15億ドル、パトリツマブデルクステカンについて契約時に7億5千万ドルと契約の1年後に7億5000万ドル、DS-6000について契約時に7億5000万ドルと契約の2年後に7億5000万ドルを受け取る。
 また、第一三共は、販売マイルストンの達成により、製品毎に最大55億ドルを受け取る。3製品における全ての販売マイルストンが達成された場合、後に記載の10億ドルの払い戻し可能な契約時一時金と合わせ、第一三共の受取総額は最大で220億ドルとなる。
 メルクは、パトリツマブ デルクステカンについては契約締結から1年、DS-6000については2年経過までに、残りの契約時一時金(7億5000万ドル)の支払いの有無を選択することができる。メルクが支払いを行わない場合、既に支払い済みの契約時一時金は第一三共に留保され、対象製品に関わる権利は当社に返還される。
 第一三共はメルクから将来的な開発費として10億ドルの払い戻し可能な契約時一時金(パトリツマブ デルクステカンについて5億米ドル、DS-7300について5億米ドル)を受け取る。同一時金の一部は、開発プログラムの早期終了に伴い、メルクに払い戻される可能性がある。
 また、DS-6000については、20億ドルまでの開発費の75%分をメルクが負担する。前述の開発費負担を除き、両社は、全世界(当社が独占的権利を有する日本は除く)における利益と費用を折半する。第一三共が独占的権利を有する日本においては、第一三共はメルクに売上に応じたロイヤルティを支払う。売上収益は、概ね全世界で第一三共が計上する。
 全世界における3製品合計の売上規模は、2030年代半ばに向け、数十億ドルに達する可能性がある。第一三共の2024年3月期の連結業績に与える影響については、今後適切な時期に告知する。同提携は、第一三共の中長期的な企業価値・株主価値の向上に貢献するものと期待される。

◆眞鍋淳第一三共代表取締役会長 兼 CEOのコメント
 パトリツマブ デルクステカン、DS-7300及びDS-6000の臨床試験から得られた結果は、当社独自のDXd-ADC技術の広範な応用力を示唆しており、いずれもエンハーツと同様にがん患者さんの新たな治療の選択肢となることを期待している。
 当社は、インフラと人材の構築を通じて、がん領域のグローバルリーダーになるための変革を続けているが、がん領域における豊富な経験と開発力・リソースを持つメルクとの提携により、これら3つのDXd-ADCをより多くの患者さんに、より早く提供していく。

◆ロバート・M・デイビス メルクCEOのコメント
 我が社は、がん免疫療法を基盤にしつつ、がん領域のパイプラインを拡大、多様化している。第一三共のADCへの先駆的な取り組みにより、がん患者さんに意義のある新しい治療の選択肢を広く提供できる可能性がある。両社は、世界中の患者さんに寄り添うことを共通の原動力として、次世代のがん領域のプレシジョンメディスンを提供するために共に協力していく。

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