乾癬性関節炎治療薬TAK-279 P2b試験で良好なトップライン結果 武田薬品

 武田薬品は11日、活動性の乾癬性関節炎を対象に開発中のTAK-279について、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、反復投与、P2b相試験の良好なトップライン結果を公表した。
 TAK-279は、次世代の選択性を有する経口アロステリックチロシンキナーゼ2(TYK2)阻害薬で、同試験では、TAK-279を1日1回投与した患者において、12週時点で疾患の徴候および症状が少なくとも20%以上改善(米国リウマチ学会が定めた基準による20%以上の改善[ACR20])した患者の割合がプラセボと比較して高いという主要評価項目を達成し、乾癬性関節炎患者にとって選択性の高い経口薬となる可能性が支持された。
 P2b試験におけるTAK-279の安全性および忍容性プロファイルは、過去のTAK-279の臨床試験と一致していた。この結果の解析は進行中であり、今後の医学学会で臨床結果を公表する予定である。
 乾癬性関節炎は、関節の疼痛、こわばりおよび腫脹を生じさせる炎症を特徴とする慢性免疫介在性炎症性疾患で、全世界で約1000万人が罹患している。乾癬性関節炎で認められる慢性炎症は、適切に治療されない場合、非可逆的な関節破壊に至る可能性があり、疾患の進行は重度の身体障害および不安やうつ病などの重大なメンタルヘルス障害とも関連する。
 武田薬品は、同P2b試験の結果に基づき、乾癬性関節炎を対象としたTAK-279のP3試験を開始する。2023年度に尋常性乾癬を対象としたTAK-279のP3相試験を開始し、全身性エリテマトーデス、クローン病、潰瘍性大腸炎などの免疫介在性炎症性疾患を対象としてTAK-279を評価する予定である。
 なお、今回のP2b試験結果が、武田薬品の2024年3月期(2023年度)の通期の連結業績予想に及ぼす影響はない。

◆アンディ・プランプ武田薬品リサーチ&デベロップメント プレジデントのコメント
 乾癬性関節炎は患者さんにとって大きな負担となることがあり、有効性、安全性、忍容性に加えて利便性を兼ね備えた治療選択肢に対するアンメットニーズがある。P2b試験結果は、選択性の高い経口TYK2阻害薬であるTAK-279が乾癬性関節炎とともに生きる患者さんの臨床転帰を改善する可能性を示唆している。
 当社は、TAK-279で認められる高い選択性が、JAK阻害による毒性を回避しながら、TYK2の強い阻害を誘導する可能性があるという仮説を立てている。近いうちにこの結果の詳細をお知らせでき、TAK-279についてのさらなる臨床研究が進むことを楽しみにしている。

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