MSDは11日、キイトルーダについて、切除可能な局所進行胃腺がんまたは食道胃接合部腺がんを対象に同剤と化学療法併用による術前補助療法の後、術後補助療法としての有用性を評価するP3相KEYNOTE-585試験の中間解析において、主要評価項目の一つである無イベント生存期間(EFS)に関して改善が認められたものの、統計解析計画で事前に規定した統計学的に有意な延長は認められなかったと発表した。評価項目の全生存期間(OS)は、EFSの改善が達成されなかったため、正式に検証されなかった。
なお、もう一つの主要評価項目である病理学的完全奏効(pCR)率については達成し、化学療法のみの場合と比較してpCR率が統計学的に有意に改善した。
別の同試験におけるキイトルーダの安全性プロファイルは、これまでに報告されている試験の結果と一貫していた。この結果は今後の腫瘍関連学会で発表される。
MSDでは、消化器がんの治療薬としてKキイトルーダを評価する広範な臨床開発プログラムを実施しており、胃がん、肝胆道がん、食道がん、膵臓がん、大腸がんに対する同剤の臨床試験を実施している。
◆Scot EbbinghausMSD研究開発本部クリニカルリサーチバイスプレジデントのコメント
この試験では、病理学的完全奏効について統計学的に有意な改善が示されたが、残念ながら無イベント生存期間についてはキイトルーダレジメンで有意な延長が認められず、切除可能な局所進行胃がんの治療の難しさが示された。患者さんの臨床的アウトカムを改善していくため、より早期のがんにおける革新的な研究は非常に重要であり、当社は今後も鋭意取り組んでいく。