「ML Chain」活用による医薬品運送委託先の正確かつ効率的管理スタート 武田薬品と三菱倉庫

 武田薬品と三菱倉庫は5日、ブロックチェーン(分散型台帳)技術を用いて三菱倉庫が開発したより高度な品質管理を実現するためのデータプラットフォームである「ML Chain」を活用し、医薬品流通に携わる運送委託先を正確かつ効率的に管理するための取り組みを開始したと発表した。
 近年、医薬品の流通については、流通過程において高い水準の品質保証を維持し、劣化、破壊等がないよう業務の画一性の推進が求められている。2018年12月に発出された、医薬品の適正流通(GDP: Good Distribution Practice)ガイドラインにおいても、その方法が定められており、外部委託業務についても常に同ガイドラインが順守され、適格性の保持を製薬企業等が確認することが従来にもまして重要になってきている。
 こうした中、武田薬品と三菱倉庫は、医薬品流通における製品の温度管理および位置情報を可視化し、ブロックチェーン技術を用いて信頼性を担保しながら、流通過程で連携する様々な事業者間で共有することによって、より高度な品質管理を実現するためのデータプラットフォーム「ML Chain」の運用を2022年1月より開始した。
 今回、さらなる品質確保を目的として、ML Chainにおいてスマートコントラクトを活用し、三菱倉庫が起用する運送等の外部委託業者の必要なライセンスの取得状況や監査記録などを、荷主である武田薬品に対して可視化する新たな機能を実装する。
 これにより、武田薬品は、自社製品の運送に関する外部委託業務の品質が確保され、確実な業務の実行を確認できるようになる。
 スマートコントラクト上で品質確保を目的とした要求水準ルールの実装により、運送委託先の業務品質が水準を満たす場合には契約の正常履行を、水準に満たない場合には要確認状態を瞬時に検知することが可能になる。
 武田薬品と三菱倉庫は、武田薬品の医薬品流通に携わる多くの事業者との情報を適切にかつ確実に確認・管理することで、業界全体の委託業務に関する品質確保に貢献していく。

◆グレッグ・ティモンズ武田薬品グローバル マニュファクチャリング&サプライ ジャパン ヘッドのコメント
 当社は、「1.患者さんに寄り添い(Patient)、2.人々と信頼関係を築き(Trust)、3.社会的評価を向上させ(Reputation)、4.事業を発展させる(Business)」を行動指針に掲げている。
 ブロックチェーンにおける今回の新たな機能の実装により、三菱倉庫との提携を通じて、患者さんが必要とする高品質な医薬品をより確実にお届けしていけることを嬉しく思う。

◆若林仁三菱倉庫専務執行役員のコメント
 当社は、今後もブロックチェーン等最先端の技術を活用したデータプラットフォームの開発、機能拡大を進め、武田薬品をはじめ多くの事業者とともに医薬品の安定供給と医薬品物流の品質確保に努めていく。

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