「潰瘍性大腸炎との暮らしを、話せる社会へ。」プロジェクト開始 日本イーライリリー、持田製薬

 日本イーライリリーと持田製薬5日、同日より、「潰瘍性大腸炎との暮らしを、話せる社会へ。」プロジェクトを開始すると発表した。
 潰瘍性大腸炎は、主に大腸粘膜にびらんや潰瘍を形成する原因不明のびまん性非特異性の炎症性疾患で、特徴的な症状として、下痢、持続性または反復性の血便、腹痛が挙げられる。
 社会的活動が最も活発な若年層から壮年層での発症が最も多く、就学、就労や結婚等の重要なライフイベントや、責任あるポジションに就くタイミングを迎える人々のQOLに大きな影響を及ぼすとされている。 中でも、潰瘍性大腸炎の患者さんが最も改善したい症状として挙げているのが“突然かつ緊急に感じる排便の必要性”と定義される「便意切迫感」だ。
 日本イーライリリー実施のインターネット調査では、「トイレに間に合わないのではないかという不安感がある」と回答した患者にとって、「便意切迫感」が自身のQOLに大きな影響を与え、改善したい症状の1つであると考えている。
 その一方で、”自身の努力や工夫”によって日常生活を維持している可能性があること等が明らかとなった。こうした現状を踏まえ、日本イーライリリーおよび持田製薬は、「悩みや不安を抱えながらも潰瘍性大腸炎と向き合い、疾患とともに暮らす患者の思いに寄り添いたい、そして、我々一人ひとりが潰瘍性大腸炎への理解を深めることで、患者さんへのサポートの輪を広げていきたい」との思いから同プロジェクトを発足した。
 同プロジェクトの開始に伴い、5日14時に 特設サイト(https://www.mochida.co.jp/withuc)を公開 。
 また、8月上旬には、同特設サイト上で、潰瘍性大腸炎の患者でもある声優・中村千絵氏を起用した「便意切迫感」との暮らしを描くWEB動画の公開も予定している。
 日本イーライリリーおよび持田製薬は、今後も潰瘍性大腸炎に関する情報を発信することで、潰瘍性大腸炎と、その症状の1つでありQOLに大きな影響を及ぼす「便意切迫感」に対する理解を促す一助となるべく活動を推進していく。同プロジェクトの進行予定は、次の通り。

◆7月5日14時より、特設サイト(https://www.mochida.co.jp/withuc)を公開
 「潰瘍性大腸炎との暮らしを、話せる社会へ。」プロジェクトでは、特設サイトを公開。潰瘍性大腸炎と、その症状の1つでありQOLに大きな影響を及ぼす「便意切迫感」に関する情報を発信していく。

◆8月上旬より、声優・中村千絵氏を起用した「便意切迫感」との暮らしを描くWEB動画を公開
 特設サイトにて公開予定のWEB動画は、QOLに大きな影響を及ぼす「便意切迫感」に悩む患者の声を基に制作中だ。同動画には、声優・中村千絵氏を起用。自身も潰瘍性大腸炎の患者で、同プロジェクトの主旨に共感して貰ったことを受け、実現した。

中村氏

◆中村村千絵氏のコメント 患者の皆さんへ。潰瘍性大腸炎になっていろいろ大変なこと、思い通りにいかないことがあると思う。同じ潰瘍性大腸炎という病気であってもそれぞれに合う治療法だったり食事の許容範囲だったりとか、病気の度合いも人それぞれだと思う。
 だからこそ、患者さん同士、お医者さん、あるいは周りのお友達や家族、近しい人たちと話すことで、少しでも気持ちが楽になったり、悩んでいるのは一人じゃないんだなって思えたらいいなって思う。
 私も当事者なので、一緒にがんばろう。 そして、周囲の皆さんへ。私たち患者が抱えている不便さや心細さを知っていただいたり、ちょっとだけ理解してもらえたり、潰瘍性大腸炎のことに関心を持ってもらえたら、これからずっとこの病気と共存して戦っていかなくてはならない患者にとっては、とても心強く、毎日が過ごしやすくなると思う。今回の動画が、その一つのきっかけになるといいな。

日比氏

◆日比紀文北里大学北里研究所病院炎症性腸疾患先進治療センター特別顧問のコメント
 潰瘍性大腸炎の患者さんは若い時期に発症する人も多く、その後の人生で受験、就職、結婚、出産などさまざまな経験をしていく。この時期には健康な人でもいろいろと悩みの多い日々を送っているものであるが、患者さんは若さゆえの悩みに加えて、病気にともなう悩みが重なることになる。
 その時々で不安を感じること、悩むことは、患者さんによって異なる。その不安や悩みのなかには、医師には話しにくいこともあるだろう。特に、潰瘍性大腸炎の場合、便意切迫感など排便に伴う問題は、親しい人間であっても話しにくく、我慢を強いられている人は多いと思われる。
 患者さんが医師にすべてを話せるわけではないことを我々も承知している。何か悩みを抱えていて、医師に話しにくいと感じた場合には、看護師や薬剤師、栄養士など、ほかの職種の医療スタッフに、遠慮せずに相談してほしいと思う。
 患者さんが一人で悩みを抱えずに、相談しやすい環境を作っていくことが大切である。そして、潰瘍性大腸炎という病気と患者さんの抱える悩みを周りが理解することが、患者さんが過ごしやすい世の中になるための、一歩になると思われる。

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