【5月8日以降も発熱外来は継続します(電話予約お願いします)】
COVID-19感染症は、3年間にわたり大きく社会を揺さぶりました(まだ余韻は続きます)。
当初は、高齢者を中心に欧米で多くの死亡者が出ました。感染すると死ぬかもしれない恐ろしい病気という認識を持ちました。新宿区は全国では早期から患者発生があり、それなりの恐怖感を持ちつつ発熱外来を始めました。ワクチンが行き届き、コロナウイルス自体もオミクロン株という重症肺炎になりにくいタイプに変化しました。
こうした背景を受けて、2023年5月8日以降、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の取扱いを5類に変更する旨の決定が政府からなされました。今後はインフルエンザと同じような扱いで生活をしていくことになります。
一般社会にとっては、4年目にして迎える遅すぎた春。喜びの解放感で歓迎されるでしょう。人の往来も飲食も娯楽も制限なくできます。どこにも行けず学校のイベントも全部中止だった子供たちの明るい声が聞こえてきます(たいへん喜ばしいことです)。
感染しても命にかかわることの少ない小児や若年者に対するワクチン接種は、始めからそれぞれの意思に従う任意接種です。肺炎では亡くならない現在の状況でワクチンの副作用とアウトカム(例えば後遺症への予防効果など)をどう考えるか。高齢者と若年者では対応が異なるのは当然です。
第6波から第8波にかけて重症者は減少していますが、持病を有する高齢ハイリスクの方(特にワクチンを受けていない方)は重症化への注意がまだ必要です。
今後、全数報告のシステムがなくなり、感染者数や死亡者数などの正確な数字がリアルタイムに得られなくなります。また夏にピークを迎えるかもしれない第9波の感染者は今までより増加する可能性があるという専門家の予測があります。
オミクロン株は重症化しにくいですが感染力が強いという特徴があります。冬場のインフルエンザシーズンに高齢者施設では、今までもマスク着用し感染予防策が講じられてきました。
コロナが5類になっても感染予防策自体は変わりません(面会制限は緩和されるでしょうが)。5類移行後も、お年寄りの受診が多い当院の発熱外来は動線分離、換気、消毒などまったく従来通りで変更はありません。院内感染やクラスタ発生は避けたいからです。
私たちは3年以上にわたり、コロナの様々なフェイズに関わり、それぞれの株の特徴、重症化リスク、ワクチンの効果など多くを学んできました。
大切なことは、さまざまな立場の考え方があることを理解しながら、正確な事実(ファクト)を知り、それぞれの科学リテラシーを高め、自分あるいは近くにいる人たちにとっての最適解を選び取ることです。5類移行も新たな学びの場と考え、一歩一歩進みましょう。
さこむら内科 院長