2022年は日本業績がグローバル業績に大きく貢献 デシュパンデ日本ベーリンガーインゲルハイム会長兼社長

シャシャンク・デシュパンデ 氏

 ベーリンガーインゲルハイムは20日、東京都内で日本の業績発表会を開催し、会見したシャシャンク・デシュパンデ日本ベーリンガーインゲルハイム会長兼社長が、「2022年(1-12 月)の業は、チャレンジングな厳しい環境であったが、グローバルで好業績を達成できた」と強調。
 日本の業績についても、「2022年は日本が大きくグローバル業績に貢献し、当社においては2番目に大きな売上高を示した」と総括した。
 本年1月に行ったSGLT2阻害薬「ジャディアンス」のCKD適応追加承認申請にも言及し、「糖尿病、心不全、CKD治療において医療現場のアンメットメディカルニーズはまだまだ大きい」と指摘。
 その上で、「適応追加において先行している競合品があるものの、治療選択肢増加によるジャディアンスの拡大は確実に期待できる。従って、同剤の生産拠点の拡大も行っている」と言い切った。
 日本法人社長としての自らの役割については、「国内とベーリンガーインゲルハイム本社との架け橋になる」と断言。日本の患者、臨床医、専門医、アカデミアのパイプ役として機能することで、「日本の立場を強化し、それが生産・研究開発への貢献に繋げたい」と抱負を述べた。
 2022年のグローバル業績は、売上高3兆3257億円(対前年比10.5%増)、営業利益6624億円(同1.4%増)、税引後利益4416億円(同0.6%減)、研究開発費6900億円(同22.3%増)。
 一方、2022年の日本の業績は、ヒト⽤医療用医薬品2168億円(同4.1%増)、アニマルヘルス223億円(同5.1%減)となった。
 主要製品の売上高は、肺線維症領域の「オフェブ」544億円(6.6%増)、「ジャディアンス」448億円(31.3%増)、選択的SGLT2阻害薬/胆汁排泄型選択的DPP4阻害薬配合剤「トラディアンス」 237億円(27.8%増)、DPP4阻害薬「トラゼンタ」359億円(2.7%減)。
 ジャディアンス(心・腎・代謝領域)は、左室駆出率を問わない慢性心不全治療薬として適応症を拡大。心不全の患者数は、2025年に120万人に達する見込み。2型糖尿病の標準治療薬としての地位を確立しており、ジャディアンスファミリーとして糖尿病治療薬市場で売上No.1を誇る。
 本年1月、慢性腎臓病(CKD)の適応症を承認申請した。同申請の根拠となるEMPA-KIDNEY試験は、CKDを対象とするSGLT2阻害薬の臨床試験として最大規模(6609例)の幅広い患者層を含んでおり、日本からも約600例が組み込まれている。
 2022年の日本の開発パイプラインにおけるハイライトは次の通り。
◆SGLT2阻害薬 (BI 10773)
 CKD適応追加の承認申請(2023年1月)、急性心筋梗塞を対象としたP3試験進⾏中
◆ GLP-1/グルカゴン作動薬 (BI 456906)
 非アルコール性脂肪肝炎を対象にP2試験が進行中
◆PDE4B阻害剤(BI 1015550)
 IPFとPF-ILDを対象に国際共同P3試験で患者登録を開始(2022年)
◆CatC inhibitor (BI 1291583)
 非嚢胞性線維症性気管支拡張症を対象にP2試験を開始(2022年) 
 アニマルヘルス事業では、 ペット用駆虫薬で国内50%以上のシェアを誇る。ネクスガード(ノミ・マダニ駆除剤)ファミリーの22年売上は110億円(同1.3%増)。

山形工場設備投資


 また、山形工場は、世界に6カ所配置されている医療用医薬品グローバル生産拠点の一つで、年間20億錠程度を生産する。日本ベーリンガー製品の90%を国内供給しており、本年度より山形工場で製造した糖尿病薬のバルクをアジア・オセアニア地域に輸出する。
 さらに、EUにおける性ぞサイトとして追加承認を受けており、EUマーケットのバックアップの役割も担う。
 こうした中、同工場では、グローバル生産ネットワークの戦略的拠点としての機能強化や、ジャディアンス錠など、糖尿病治療薬の世界的な需要増に対応するため、約100億円の投資を行い、新固形製剤棟を建設する。

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