新型コロナ感染症対策の経験・教訓を次世代につなぐ記録誌を発行 愛知県大府市

記録誌を持つ岡村大府市長

 愛知県大府市は、新型コロナウイルス感染症対策の記録を次世代に引き継ぐ、「No Rain, No Rainbow 大府市新型コロナウイルス感染症対策記録誌」を発行した。
 記録誌には、感染拡大の初期対応から感染予防と日常生活の両立を図るウィズコロナまでの各段階の大府市の対策に加え、エッセンシャルワーカーをはじめコロナ禍の地域を支えた多くの人のインタビューを行い、「オール大府」で未曽有の危機に立ち向かった3年間の記録を掲載している。
 大府市は、市民に最も身近な基礎自治体として、市民生活を守るため、独自のさまざまな感染症対策を迅速に推進してきた。国の感染症対策の転換点に、コロナ禍で培った経験と教訓を記録誌にまとめ、まちづくりに生かすとともに、次なる脅威に備える。
 記録誌タイトルの「No Rain, No Rainbow」は、雨が降らなければ虹は出ない、雨という試練があって こそ、美しい虹を見ることができるという意味のことわざだ。市民と共に感染拡大という試練を乗り越え、新たな時代を築いていくという決意を込めている。

◆岡村秀人大府市長のコメント
 歴史を振り返ると、未知の感染症の拡大は、幾度となく繰り返されてきたが、約100年前のスペイン風邪は、国内で死者38万人という大きな被害があったにもかかわらず、よく知らない人が多いと思う。
 過去の歴史から学ぶことは多く、大府市が感染症対策を通じて培った経験と教訓も後世に伝える必要があり、我々には、その使命があると考えている。
 大府市は、国の特別定額給付金の給付業務では、いち早く組織横断的な対策チームを設置し、給付システムを職員が内部開発するなどの取り組みにより、他自治体に先駆けた早期給付を実現した。
 大府市独自の対策としては、国の特別定額給付金の基準日以降に生まれた子どもへの「大府市臨時特別出産祝金(子ども1人当たり10万円給付)」の給付や大府関連の食品などを市外・県外で暮らす学生に送る「学生応援!ふるさと便おおぶ」、市民1人当たり1万円の「おおぶ元気商品券」の発行などを実施した。
 独自の施策は、新聞・テレビなどで大きく報じられ、市民から多くの激励と感謝の声が届き、大府市と同様の取り組みが全国の自治体に広がった。
 記録誌には、さまざまな団体・企業と連携した取り組みを掲載している。インタビュー記事は、医師、看護師、保育士、事業者、文化・スポーツ関係者など、地域を支えて頂いた27人の方に登場していただき、地域が一丸となって難局に立ち向かった貴重な記録になっている。
 多くの国の補助金・交付金は使途が限定されていることが多いが、「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」は、自由度が高く、自治体の実情に応じた活用ができるものであった。地方分権として、良い仕組みであったと思う。

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