「R-1EPS」含有ヨーグルト摂取で激しい運動に伴う一時的免疫機能低下抑制を確認 明治と順天堂大学

 明治と順天堂大学は、大学陸上部のアスリートを対象としたヒト対象研究において、乳酸菌のOLL1073R-1株で発酵したヨーグルト(R-1 EPSを6.6mg含有)の摂取により、激しい運動に伴う一時的な免疫機能の低下を抑制することを明らかにした。また、身体のコンディションを良好に保つ可能性を確認した。研究結果の概要は、次の2点。

 ①18歳以上の健常な男子大学生陸上選手を対象とした試験において、OLL1073R-1株で発酵したヨーグルト(R-1 EPSを6.6mg含有)の摂取により、免疫機能の低下リスクが高い激しい運動後においても、ナチュラル・キラー細胞の活性(NK活性)をはじめとする免疫指標の低下がみられず、正常な免疫機能が維持された。

②同ヨーグルトを摂取することで、トレーニング後の筋損傷からの回復を促すアミノ酸の血中濃度の低下を抑制を確認した。
 なお、これらの究成果は1日に日本体力医学会が発行する学術誌「体力科学」に掲載された。

 免疫機能の低下は、さまざまな感染症の発症リスクを高め、身体的および心理的なコンディション不良にも関連すると考えられている。免疫機能の低下には、加齢をはじめさまざまな原因があるが、不規則な生活や激しい運動などもリスクになる。また、激しい運動は腸管に障害を与え、たんぱく質の消化吸収機能を低下させることも報告されている。
 運動選手にとって正常な免疫機能を維持し、トレーニング後の筋損傷からの回復を促す必須アミノ酸の血中濃度を低下させないことは、身体のコンディションを維持するうえで非常に重要である。
 明治は、これまでにOLL1073R-1株が産生するEPS(R-1 EPS)が正常な免疫機能の維持に役立つことを報告してきた。同研究では免疫機能の低下リスクが高い人に対しても、正常な免疫機能の維持に有効であることを明らかにした。
 また、OLL1073R-1株で発酵したヨーグルトの摂取は、一時的な腸管機能の低下やアミノ酸代謝の異常を抑制することで、全身の恒常性を保ち身体のコンディション維持に働くと考えられる。
 同結果は、R-1 EPSをこれまでの試験の2倍に相当する6.6mg摂取により初めて見出された。実験方法と結果は次の通り。
【実験方法】
 大学陸上部に所属する男子長距離選手18名と男子投てき選手13名を競技ごとに偏りがないようにランダムに2群に分け、OLL1073R-1株で発酵したヨーグルト(R-1 EPSを6.6mg含有)またはプラセボの酸性乳飲料を2週間摂取させた。
 この間に1週間の合宿を実施し、激しい運動を負荷しました。主要評価項目は NK活性とした。
 その結果、同ヨーグルト群(n=16)ではプラセボ群(n=15)に比べて、(1)激しい運動に伴うNK活性の低下が有意に抑制され、免疫機能の低下を防ぐことが確認された(図1)。
 その他の免疫指標に関しても同様の影響が認められた。

(2)激しい運動に伴う必須アミノ酸及び分岐鎖アミノ酸の血中濃度の低下が抑制され、身体のコンディション低下を防ぐことが示唆された(図2)。
 これらの結果から、OLL1073R-1株で発酵したヨーグルト(R-1 EPSを6.6mg含有)の摂取により、激しい運動に伴う一時的な免疫機能の低下が抑制されることが明らかになった。
 また、同ヨーグルトは激しい運動に伴う腸管機能の低下を抑制し血中アミノ酸濃度を正常に維持することで、身体のコンディションを良好に保つと考えられる。

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