HIV検査の機会拡充で寄附プログラム開始 ギリアド

HIV検査拡充を目的とした活動案を募集し、寄付先の活動と団体を決定

 ギリアドは24日、HIV検査推進体制の拡充に向けた取り組みに対する寄附プログラムを立ち上げたと発表した。同プログラムの立ち上げは、日本におけるHIV流行の終息に向けた課題解決を目的としたもの。
 1980年代、HIVは死の病と考えられていたが、医療の進歩とともに、現在は早期発見・早期治療により、HIV陽性者の平均余命は一般人とほぼ変わらない状況となった。
 国連合同エイズ計画(UNAIDS)は、2025年までに、95%の診断率、95%の治療率、95%のウイルス抑制達成率を満たす「95-95-95」を掲げ、最終的に、2030年までにHIV流行を終結する目標を発表した。
 世界的に、HIV流行終息に向けた対策が推進されている一方、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、2020年以降、HIVの検査機会は大きく減少している。
 また、HIVの検査機会の減少により、HIV感染の発見が遅れ、エイズを発症してから初めてHIVに感染していたことに気づく「いきなりエイズ」の患者が増加しており、日本における2021年のHIV陽性者とエイズ患者数をあわせた新規報告数に占めるエイズ報告数は約3割を示している。
 日本において、現在のHIV検査の機会はまだ十分ではなく、HIV感染を減らしていくためにはHIV検査の機会拡充が必要だ。同プログラムでは、95%のHIV検査率を満たし、UNAIDSが掲げる「95-95-95」および「HIV流行終息」の目標達成に向けて、HIV検査拡充を目的とした活動案を募集し、選ばれた活動に対してギリアドが寄附を通じて支援するもの。
 検査率の向上に直接貢献することを目的とした活動案のみならず、検査推進を目的とした活動案も対象とする。募集期間は、2月24日から5月31日までで、寄附先の活動と団体は応募のあった活動案の中から審査基準に基づき、ギリアドの審査委員会による厳正なる審査を経て決定する。応募の概要は次の通り。

◆応募団体の条件:
・非営利団体
・定款、前年度の活動報告書、財務報告、役員名簿がある

◆活動案の条件
・2024年8月31日までに実施報告が可能な活動であること

・営利目的の活動ではない

・医療関係者に個人的利益をもたらす活動でない

◆申し込み方法等、事務局がサポートする。問い合わせは、ギリアドHIV検査推進プロジェクト支援事務局(株式会社ココノッツ内)
・Email:gilead_comms@cocoknots.co.jp

・Tel:03-5213-4410 まで。

◆ケネット・ブライスティング ギリアド代表取締役社長のコメント
 ギリアドは、35年にわたり、HIV領域におけるリーディング・カンパニーとして治療、予防、治癒研究の進歩を推進してきた。近年のHIV検査機会の減少を受け、当社は、HIVに関わる人たちや団体と協力しながら、さらなるHIV検査の推進に取り組む。
 本プログラムが、UNAIDSが掲げる『95-95-95』における95%の診断率およびHIV流行の終息の一助になれば幸いである。

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