地元オリンピアンと「コンディショニング」の健康まちづくりへ連携  山形県南陽市

左から池田氏、白岩市長

 山形県南陽市は24日、YAMAGATA ATHLETE LAB. (ヤマガタ アスリート ラボ、代表・池田めぐみ氏)と「健康まちづくりの推進に関する包括連携協定」を結び、池田氏を「南陽市健康まちづくりアドバイザー」に委嘱したと発表した。
 ヤマガタ アスリート ラボは、同市出身・在住で元フェンシング女子個人エペ日本代表の池田めぐみ氏が代表を務める一般社団法人。
 22日に行われた協定締結式では、白岩孝夫市長が「池田さんの豊富な経験、知見を市民のために生かしていけるよう、我々も頑張りたい」とあいさつ。
 池田氏も「育ってきた南陽市のために何ができるかと考えてきた。アスリートとしてコンディショニングの重要性を実感してきたが、コンディショニングは体を使う上で誰にとっても非常に重要である」と指摘。
 その上で、「皆さんに伝え、広く発信することが自分の役割。自分たちの理念をしっかりともちながら、活動を展開していきたい」と活動へ向け抱負を述べた。
 今回の協定締結により、池田氏が持つトップアスリートとしての経験とネットワークを活かし、市民の運動機会の確保とフレイル予防、生きがいづくりなど、体と心を整える活動=「コンディショニング」を取り入れた健康づくりを推進するとともに、中学校部活動の地域移行に関する受け皿整備を図っていく。
 池田氏は、2004年アテネオリンピック、2008年北京オリンピックにフェンシング女子個人エペ日本代表として出場。現在は、山形県スポーツ協会のスポーツアドバイザーとして活動するほか、2021年度に日本スポーツ協会理事、2022年度にはスポーツ庁のスポーツ未来開拓会議メンバーにも選出されている。
 2022年12月に「アスリートの力を山形の力に」を理念に、同法人を設立。県内スポーツ選手のサポートを目的に、これまでの経験を生かした相談体制づくりのほか、スポーツや日常生活における基盤となる身体の調子をより良い方向に整える「コンディショニング」を通じて、スポーツによる地域活性化を目指している。
 協定では、健康づくりを通じた市民のライフパフォーマンスの向上や、スポーツを通した地域活性化などについて連携。コンディショニングの理論と実践をベースに、市民の健康づくりを推進していくことで、子どもの体力向上や部活動地域移行への対応、働く世代の健康維持、介護予防といった直接的な効果のほか、運動を通した世代間交流促進や地域の人材育成を図っていく。
 プロジェクトの第一弾として、3月4日に「令和4年度南陽市スポーツ協会指導者研修会 コンディショニングセミナー(市スポーツ協会主催)」を開催する。同セミナーでは、池田氏のほか、コンディショニングの第一人者であるR-body代表でスポーツ医学博士の鈴木岳氏を講師に、中学生や指導者らがコンディショニングについて学ぶ。
 また、令和5年度は、中学校部活動の地域移行の受け皿の一つとして、YAMAGATA ATHLETE LAB.がコンディショニングの提供や、実施体制の構築を進めていくほか、今後は、国の補助メニューなどを活用しながら予算化を図り、学校体育やスポーツ少年団、成人を対象とした健康づくり講座等、アプローチを広げていく。

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