HIVビジネスの大幅な伸長、ゾコーバの承認で2023年3月期業績予想を上方修正 創業以来最高業績に 塩野義製薬

 塩野義製薬は30日、HIVビジネスの大幅な伸長、 欧米における新規シデロフォアロスポリン系抗菌薬「セフィデロコル」の堅調な推移、新型コロナ経口治療薬「ゾコーバ」の承認などが起因し、昨年10月24日に公表した2023年3月期業績予想を次の通り上方修正すると発表した(カッコ内は前回予想との増減額)。
 売上収益4210億円(110億円増)、営業利益1470億円(270億円増)、税引前利益2100億円(360億円増)、親会社の所有者に帰属する当期利益1700億円(280億円増)、基本的1株当たり当期利益568.87円(471.58円)
  業績予想修正の理由は、第3四半期連結累計期間において、英国ヴィーブ社によるHIVフランチャイズの売上がドウベイト、カベヌバなどの新製品を中心に大きく伸長し、ロイヤリティー収入および受取配当金が従来予想を超過した。また、欧米におけるセフィデロコルの販売を含むベースビジネスは堅調な推移を示している。
 加えて、年間の研究開発費として過去最大規模となる先行投資を続けてきたゾコーバが、昨年11月22日付で国内の製造販売承認を取得し、日本政府との間で計200万人分の購入が行われ1000億円の売り上げ収益を計上した。
 新型コロナウイルス感染症関連製品の収益については承認取得時期や購入量など不確定な要素が多く、原価、販売費・一般管理費などの費用面を中心に保守的な予想を算出していたため、各利益項目が従来予想を上振れる見込みである。
 ゾコーバのグローバル展開については、開発や生産体制の構築、提供に関する各国政府との協議も順調に進展しており、さらなる増収も期待される。
 また、成長投資として当期に一定額の投資を見込んでいたが、新型コロナウイルス感染症関連事業を優先しているために一部が次年度に移行し、販売費・一般管理費が減少する見込みである。
 一方で、新型コロナウイルス感染症関連プロジェクトを含む今後の成長ドライバーへの投資は引き続き積極的に行っていくため、研究開発費は増加する見込みである。これらの経費は、引き続き全体として適正にコントロールしていく。
 これらの結果、売上収益および各利益項目について昨年10月24日に公表した業績予想を上方修正する。修正予想においては、売上収益および各利益項目はいずれも対前年比で増収増益となる見込みだ。
 なお、今回修正を行った業績予想を達成した場合には、売上収益および各利益項目はいずれも創業以来の最高業績となる。

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