キイトルーダと化学療法の併用療法 胃腺がん、食道胃接合部腺がんのP3試験で好結果 MSD

 MSDは15日、キイトルーダと化学療法の併用療法について、HER2陰性の胃腺がんまたは食道胃接合部腺がんを対象としたP3試験(KEYNOTE−859試験)において、主要評価項目である全生存期間(OS)で統計学的に有意な改善が認めらたと発表した。
 KEYNOTE−859試験は、HER2陰性の局所進行性切除不能または転移性胃腺がんまたは食道胃接合部腺がん患者に対する一次治療としてキイトルーダと化学療法の併用療法を評価したP3相試験。
 独立データモニタリング委員会による事前に規定された中間解析にもとづき、キイトルーダと化学療法の併用療法は化学療法単独群と比較して、無作為に割り付けられた全患者集団において、主要評価項目である全生存期間(OS)で統計学的に有意な改善が認めらた。副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)および奏効率(ORR)についても統計学的に有意で臨床的に意味のある改善が認められた。
 同試験におけるキイトルーダの安全性プロファイルはこれまでに報告されている試験で認められているものと一貫しており、新たな安全性の懸念は特定されなかった。
 この結果については、今後さまざまな腫瘍関連学会における演題発表および規制当局への申請を予定している
  MSDでは、消化器がんの治療薬としてキイトルーダを評価する広範な臨床開発プログラムを実施しており、進行性HER2陽性胃腺がんの一次治療に対するKEYNOTE-811試験、早期胃腺がんに対するKEYNOTE-585試験、進行性・転移性胃腺がんを対象としてさらに評価を行うLEAP-015試験などが進行中である。
 また、肝胆道がん、食道がん、膵臓がん、大腸がんなどに対するキイトルーダの臨床試験を実施している。

◆Eliav Barr MSD研究開発本部シニア・バイス・プレジデント、グローバル臨床開発責任者、最高メディカル責任者のコメント
 がん治療は進歩しているが、進行性胃腺がんは現在も5年生存率が特に低く、新たな治療法の開発が喫緊に求められている。 KEYNOTE−859試験の結果から、PD-L1の発現にかかわらず、HER2陰性の局所進行性切除不能または転移性胃腺がんまたは食道胃接合部腺がんの患者さんに対するキイトルーダと化学療法の併用療法により、化学療法単独群より生存期間が延長される可能性が示された。
 今回得られた良好な結果は、消化器がん患者さんにキイトルーダによる新たな治療の選択肢を提供することを目指す当社の取り組みを示すものである。

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