個々に適切なプロテインの種類や摂取量を推奨するアルゴリズム計算式構築 明治とDeNAライフサイエンス

 明治とディー・エヌ・エー子会社のDeNAライフサイエンスは28日、一人ひとりに最適なプロテインの種類や摂取量を推奨する仕組み(アルゴリズム計算式)を作成し、実証試験を実施したと発表した。
 明治は、アルゴリズム計算式作成に必要な研究論文データの収集と解析、需要性調査および実証試験の企画を推進。DeNAライフサイエンスは、同社が提供する遺伝子検査サービス「MYCODE」会員向けに需要性調査および実証試験を実施した。また、アルゴリズム計算式の作成は、両社共同で行った。
 これらの研究成果は、10月7日〜9日に開催された第81回日本公衆衛生学会総会で報告された。この仕組みにより、自分に適したプロテイン摂取に悩む人の疑問を解決し、より満足できるプロテインの活用を支援していく。
 研究では、プロテインのパーソナライズ化について需要性調査を行った結果、過半数の肯定的な意見が得られたことから、たんぱく質に関する多数の研究データの解析結果を活用し、各ユーザーの運動実態や目的に適したプロテインを推奨するアルゴリズムを作成した。
 このアルゴリズムの効果について、プロテインの摂取意向、運動実施頻度がさまざまな30~40代の男女30名を対象に検証した。
 その結果、アルゴリズムの活用がプロテインの継続摂取モチベーションを維持させ、個人ごとの運動実施の効果を引き出すことが確認できた。
 第81回日本公衆衛生学会総会における明治およびDeNAライフサイエンスの連題発表内容は次の通り。

【タイトル】
①「パーソナライズドプロテインについての需要性調査とアルゴリズムの検討」

②「個別化栄養に対応したプロテイン摂取推奨の仕組みと検証事例」

【発表概要①】
 筋肉量増加や筋力強化を効果的に行うために、摂取するたんぱく質の種類や量についてさまざまな対象や条件で研究が行われているが、実際には個人に応じたプロテインの種類や摂取量の推奨は確立されておらず、経験則的に判断がなされる傾向にある。
 20~70代以上の男女869名にアンケート調査を行ったところ、プロテインのパーソナライズ化について肯定的な回答 (「とても共感できる」または「やや共感できる」)が64%~85%得られた(図1)。

出典:株式会社DeNAライフサイエンス調べ(2019年Web調査)
 図1 プロテインのパーソナライズ化についての需要性調査結果

 

 そこで、ユーザーが体重や目的、運動量などを入力することで多数の研究論文から適合する文献を選択し、それらのデータをもとに最適なプロテインの種類や摂取量を推奨するアルゴリズムを作成した。

【発表概要②】
 プロテインの摂取意向、運動実施頻度がさまざまな30~40代の男女30名を対象として、アルゴリズムの効果を検証した。試験参加者は、3か月間アルゴリズムに従って継続的にプロテインを摂取し、体組成測定、食事栄養調査、気分プロフィール調査(POMS2短縮版)を同時に実施した。
 その結果、アルゴリズムによる定期的な指示がプロテインの継続摂取意向につながった(図2左)。また、アルゴリズムに基づくプロテインの継続摂取は、参加者の筋肉量の増加(平均約0.4 kg)など、さまざまな好影響をもたらした。

図2 (左)アルゴリズムの指示がプロテイン摂取モチベーションに与えた影響
                                (右)アルゴリズムによるプロテイン推奨の仕組み

 今後はユーザー視点でベネフィットや利便性を改良し、プロテインユーザーにとって利用価値が高い仕組み作りを目指す。

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