主旨に賛同する 健康啓発団体、自治体、健保組合、学校等で無償利用可能
日本生活習慣病予防協会は、同協会主催の「全国生活習慣病予防月間2022」のイベントとして、「一無、二少、三多」(いちむにしょうさんた)のピクトグラムを作製した。
同ピクトグラムは、公募により企画した「一無、二少、三多」の6つの健康習慣をよりわかりやすく表現したもの。「一無、二少、三多」に賛同する健康啓発団体、自治体、健保組合、学校、メディアなどでの無償利用を可能としている。
生活習慣病は、長い時間をかけて進み、疾患として自覚しにくいという問題がある。それを防ぐには、日頃の体調、身体の些細な変化など、つねに自分自身の健康に目を向ける必要がある。加えて、中高年になってからではなく、若い頃から、適正な生活習慣を獲得し、維持することが重要である。
「一無、二少、三多」は、6つの健康習慣(一無「無煙・禁煙」、二少「少食」「少酒」、三多「多動」「多休」「多接」)から成り、日常心がけたい生活習慣をシンプルに、わかりやすく表現した健康標語だ。1991年に、池田義雄現同協会名誉会長が提唱し、同協会が普及啓発に努めている。一無、二少、三多の概要は次の通り。
【一無(禁煙・無煙)のすすめ】
◆たばこは万病の元たばこは万病のもと~喫煙は単独で最大の予防可能な死因!
たばこの煙には、250種類の有害成分が含まれており、その内の70種類以上には発がん性が確認されいる。新型たばこ(加熱式たばこや電子たばこ)は、紙巻たばこと比較して有害成分が90%削減されたとされているが、削減されたのは一部の有害成分のみである。
また、削減された有害成分でも、十分発がんする量であり、喫煙および受動喫煙による生活習慣病関連疾患の発症や症状の悪化をきたす可能性がある。新型コロナウイルス感染症に対しても重症化しやすく、ワクチンを接種しても抗体価が上昇しにくいこともわかっている。
【二少(少食・少酒)のすすめ】
◆ 少食:食事は腹八分目に!
「腹八分目に医者いらず」という格言がある。暴飲暴食を控えることは、身体の機能を健康な状態に維持していく上でたいへん重要だ。お腹いっぱい(満腹)まで食べる習慣をやめ、腹七~八分目でやめるよう心がけ、偏食をせず、よく噛んで、三食を規則正しく食べよう。
◆ 少酒:アルコールは少量をたしなみ、ほどほどに!
過度の飲酒を長く続けると、さまざまな病気を引き起こす誘因となる。「健康日本21」では、飲酒に関して、純アルコールに換算して1日約20g(ビール500mL、ワイン グラス2杯程度)までが望ましいとしている。
飲酒は、「百薬の長とはいへど、万の病は酒よりこそ起れ」という格言にもあるとおり、アルコールをたくさん飲める人でも、1日の飲酒量はその程度が望ましい。
【三多(多動、多休、多接)のすすめ】
◆ 多動:今より10分多く、からだを動かそう!
日常生活の中で身体活動量を増やそう。座りっぱなしは避け、身体活動をできるだけ多くして、しっかり毎日の生活の中で維持しよう。「2本の足は2人の医者」(内科医と外科医)という格言がある。無理な目標はたてずに、まず良く歩くことから始めよう。
◆ 多休:しっかり休養~こころとからだのリフレッシュ!
快適な睡眠時間は標準的には6~8時間といわれますが、「快適」には個人差がある。自分の活動量に応じた適正な睡眠時間をとるように心がけよう。「睡眠」に限らず、仕事の合間の「休憩」や仕事をしない「休日」、夏休みや年末などの「休暇」も含めて、毎日の生活やライフステージに合わせて、心身ともにリフレッシュする機会をもつことが大切である。
◆ 多接:多くの人、事、物に接して創造的な生活を送る!
多くの人と交流し、さまざまな物、事に好奇心をもって接することで創造性豊かな生活を送ることが重要だ。社会や人とのつながりが途絶えると身体的・精神的な健康障害が起こりやすことが科学的に検証されている。ボランティアに参加した人は健康観や幸福感が高いとする研究がある。
社会や誰かのために貢献するといった心持ちは、いくつになっても若さを維持させてくれる。何かしら目的や生きがいをもっている人は、イキイキしている。
◆一無、二少、三多とは?URL:https://seikatsusyukanbyo.com/main/yobou/02.php