第1回「VISI-ONE アクセラレータープログラム」デモデイ 視覚障がいに関わる“壁”を溶かす事業アイデア受賞企業決定 参天製薬

 参天製薬は17日、日本ブラインドサッカー協会(JBFA)、インターナショナル・ブラインドフットボール・ファウンデーション(IBF Foundation)の3者で展開する第1回「VISI-ONE アクセラレータープログラム」のデモデイを14日に開催し、視覚障がいに関わる“壁”を溶かす事業アイデアの受賞企業として、「Business Innovation Award」にAshirase(栃木県宇都宮市)、「Social Innovation Award」にGATARI(東京都千代田区)を選出したと発表した。受賞した2社には、賞金として各々300 万円が贈呈された。
 同プログラムに採択された企業6社による事業アイデアの実証成果が発表されたデモデイには、オンラインとオフラインで計163名が参加。6 社の代表者が、IoT(Internet of Things: モノのインターネット)や AI(Artificial Intelligence: 人工知能)などのテクノロジーを取り入れた視覚障がい者が抱える課題の解決につなげる製品・サービスや、MR(Mixed Reality: 複合現実)や器具の振動によって道を案内する技術を活用し、視覚障がいがあっても楽しめる体験提供などの事業アイデアについて、コンセプト実証の成果を発表した。
 各社の成果発表をもとに行われた審査では、アイデアの独自性や新規性、短期間での成長性と社会実装への実現性を審査基準とする「Business Innovation Award」にAshirase(栃木県宇都宮市)が選ばれた。
 また、視覚障がいに関する課題への理解および、中長期的な視点からの共生社会の実現性を審査基準とする「Social Innovation Award」にGATARI(東京都千代田区)が選出された。
 参天製薬、JBFA、IBF Foundation)の3者は、視覚障がいの有無にかかわらず誰もが当たり前に混ざり合う共生社会の実現を目指し、「“見える”と“見えない”の壁を溶かし、社会を誰もが活躍できる舞台にする」というビジョンを掲げ、2020年にパートナーシップ契約を締結した。
 3者パートナーシップでは、「共体験でそれぞれの個性や強みを理解する」、「“見える”に関するイノベーションを創出する」、「視覚障がい者の QOLを向上する」という3つのゴールを設定し、本年4月から様々な活動を「VISI-ONE(ビジワン)プロジェクト」として展開している。
 同プロジェクトの一環として、“見える”に関するイノベーションを追求し、視覚障がいに関わる“壁”を溶かす新規事業創出支援を目的とした「VISI-ONE(ビジワン)アクセラレータープログラム」を今年初めて企画し、同プログラムに採択された企業6社による事業アイデアの実証成果を発表するデモデイが開催された。各賞受賞企業の概要および受賞コメントは次の通り。

◆Business Innovation Award 受賞企業

千野氏


【受賞企業・所在地】 Ashirase(栃木県宇都宮市)
【代表者名】 代表取締役 CEO 千野歩氏
【事業案(登壇内容)】 靴に挿入するデバイスで行き先を知らせる歩行ナビゲーションシステム。音声ではなく振動で情報を伝えるナビゲーション「あしらせ」を使用して充実した旅・移動ができる仕組みを発表。
【受賞コメント】 今回の受賞は、「社会実装」の可能性を高く評価していただいた結果だと捉えている。「社会福祉」をテーマとした事業は、事業化が困難というイメージがあるが、Ashirase がその認識を打破するきっかけになれば嬉しい。

◆Social Innovation Award 受賞企業

竹下氏


【受賞企業・所在地】 (株)GATARI(東京都千代田区)
【代表者名】 代表取締役 CEO 竹下俊一氏
【事業案登壇内容)】 MR(複合現実)技術を活用し、位置情報を自動で取得し音声が流れることで、音声と現実が融合しているかのような体験システムを発表。
【受賞コメント】
 このプログラムを通じ、視覚障がい者の方々との密なコミュニケーションの機会を得て、社会課題解決に向けて、新たな取り組みに挑むことができた。
 今回の挑戦がより社会をインクルーシブな形に進歩、加速させることにつながればと思う。

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