ウパダシチニブ 体軸性脊椎関節炎治療薬として欧州医薬品委員会が承認推奨 アッヴィ

 アッヴィ12日、ウパダシチニブについて、体軸性脊椎関節炎患者の治療薬として欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)が承認を推奨したと発表した。
 対象は、C-反応性蛋白(CRP)の高値または磁気共鳴画像(MRI)により客観的な炎症の徴候が認められ、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)で効果不十分であった活動性のX線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎(nr-axSpA)の成人患者。
 CHMPの肯定的見解は、欧州委員会(EC)に対する製造販売承認の科学的推奨となるもの。ECによる評価を経て、欧州連合(EU)の全加盟国、ならびにアイスランド、リヒテンシュタイン、北アイルランドおよびノルウェーで有効となるECの決定が行われる。
 nr-axSpAを対象とするウパダシチニブの承認申請は、P3相SELECT-AXIS 2試験の結果に基づいており、そのトップライン結果は2021年に既に発表されている。このP3試験のうち、SELECT-AXIS 2 nr-axSpA試験において、主要評価項目であるASAS40[国際脊椎関節炎評価会(ASAS)基準でベースラインから40%改善]および順位付け副次評価項目の14項目のうち最初の12項目を達成した。 安全性データについては、既知のウパダシチニブの安全性データと比較して新たな安全性リスクは特定されなかったことが既に報告されている。
 なお、現在、欧州においては、中等症から重症の活動性関節リウマチ、活動性関節症性乾癬(乾癬性関節炎)、活動性強直性脊椎炎および中等症から重症のアトピー性皮膚炎の患者に対するウパダシチニブの使用が承認されている。
 ウパダシチニブのnr-axSpAに対する使用は、米国または欧州において承認されておらず、同剤の有効性および安全性の評価が行われている。

◆Neil Gallagherアッヴィvice president, development, chief medical officer(M.D., Ph.D.,)のコメント
 axSpAの患者さんは、診断までに時間がかかることが多く、また診断がついても、炎症、背部痛、こわばりといった症状をコントロールできる治療選択肢は限られている。
 CHMPがnr-axSpAの患者さんの治療薬としてウパダシチニブの承認を推奨したことは、困難な状況にある患者さんに新たな治療選択肢を提供する上で重要な節目と言える。

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