強力なキャッシュフローを研究開発・債務返却・株主還元に活用 武田薬品ウェバー社長

 武田薬品のクリストフウェバー社長は、現在の強力なキャッシュフローを①研究開発②債務返却③株主還元に活用していく考えを示した。また、武田薬品の規模については「競争に耐え得るもの」と強調し、「今後は、パイプラインの増強がキーポイントになる」と訴求した。
 29日に大阪市内のホテルで開催された第146回定時株主総会における株主からの質問に回答したもの。
 研究開発についてウェバー氏は、「導入も含めた新薬の開発」と説明。債務返却では、「どんどん減ってきている。金利は平均2%で、98%が固定金利である」と明かした。株主還元は、「配当金」、「自社株買い」を挙げた。
 現在の武田薬品の規模については、「日本、米国、欧州、中国に拠点を構えており、競争に耐え得る十分なスケールになった。利益、マージン、キャッシュフローも増えてきた」と断言。
 その上で、「今後のM&Aは考えていない。これからパイプラインの増強が重要なポイントになる」と言い切った。
 また、ウクライナへの対応では、「患者さんに必要な医薬品が届けられるよう、金銭的支援も含めて尽力している」と明言。ロシアには、「生命に係る医薬品の提供は除いて、不必要な活動は全てストップしている」と説明した。
 ウェバー社長は、中期経営計画を出さない理由にも言及し、「パンデミックや地政学的リスクなど、3年先、5年先の予測は難しい」と述べ「一年のコミットメントをきちんと行っていく」考えを強調した。
  

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