大鵬薬品は20日、ジェセリについて、GIST(消化管間質腫瘍)の効能効果で製造販売承認を取得したと発表した。対象は、がん化学療法後に増悪した消化管間質腫瘍。
同剤は、大鵬薬品が創製した化合物で、HSP90を阻害して、がんの増殖や生存などに関与するKIT、PDGFRA、HER2やEGFRなどのタンパクを不安定化し、減少させることで抗腫瘍効果を発揮する。
今回の承認は、既治療のGIST患者を対象に、同剤とプラセボの有効性および安全性を比較したP3相臨床試験(CHAPTER-GIST-301試験)の結果に基づくもの。
CHAPTER-GIST-301試験は、標準治療薬に不応または不耐と判断されたGIST患者において同剤とプラセボを比較した無作為割付・二重盲検のP3試験である。
主要評価項目はPFS、副次評価項目は全生存期間(Overall Survival:OS)、安全性、QOL(Quality of Life)など。
同試験は、イマチニブ、スニチニブおよびレゴラフェニブの治療歴がある20歳以上のGIST患者を対象とし、日本のGIST専門施設6施設から2018年10月~2020年4月の期間に86名が登録された。
ジェセリは、同試験において主要評価項目の無増悪生存期間(Progression-Free Survival:PFS)を有意に延長し、有害事象は管理可能であった。
なお、これらの試験の結果は、Annals of Oncologyに掲載された。