城東テクノと共同で住宅の床埋め込み体組成計を開発 タニタ

日常の生活動線の中で手軽に計測できる体組成計付き高気密型床下点検口「NORE」

 タニタは、住宅建材メーカーの城東テクノ(大阪府)と共同で、体組成計付き高気密型床下点検口「NORNE(ノルネ)」を開発し、城東テクノより9月1日から発売する。
 床下のメンテナンスに不可欠な床下点検口と体組成計を一体化することで、フラットな床面に体組成計の機能を組み込めるのが特徴だ。これにより、計測する際にその都度体組成計を出し入れする必要がなくなり、日常の生活動線の中で手軽に健康管理に取り組める。価格はオープン。
 タニタでは、体組成計測の中核技術である体組成計向け「タニタアルゴリズム」の外部提供を進めている。同商品の共同開発もその一環で、異業種への提供は初めて。
 「norne」開発にあたって、タニタは体組成計の機能部分を担当。計測するとき以外は「床」として踏まれるため、耐久性を高める必要があった。
 そこで、業務用の機器と同等の部品を使用するとともに設計を工夫することで、「体組成計」としての精度・機能と「床」としての安全性を両立させた。
 計測項目は、「体重」「体脂肪率」「筋肉量」「筋質点数」「内臓脂肪レベル」「推定骨量」「基礎代謝量」「体内年齢」「体水分率」「BMI」の10項目。
 計測データは、ブルートゥース通信でスマートフォンに転送し、対応のアプリで管理できる。生活動線で自然に計測できることに加え、からだの経時変化を「見える化」することで、健康管理の習慣化を促す。タニタでは、住宅のIoT化が進む中、これまでにないヘルスケア領域の価値を提案していく。
 体組成計は、メーカーごとに独自のアルゴリズムを搭載しているため、「体脂肪率」や「筋肉量」などの計測数値がメーカーごとに異なっている。
 こうした状況はユーザーの利便性を低下させるだけでなく、医療・健康データを一元管理するデータヘルスを推進する上でも障害となる。
 タニタでは、この問題を解決するため、体組成計向け「タニタアルゴリズム」の外部提供を2020年より開始。2021年には、同アルゴリズムを搭載した家庭用体組成計がエー・アンド・デイから発売されている。
 また、2020年には、歩数計・活動量計向け「タニタアルゴリズム」のうち消費エネルギー量を計算するアルゴリズムを株式会社スクウェア・エニックスのスマートフォン向け位置情報ロールプレイングゲーム『ドラゴンクエストウォーク』へ提供している。
 健康づくりは、からだの変化の「見える化」を習慣化することが起点となる。タニタでは、今後も異業種も含めて他社の商品やサービスに対する「タニタアルゴリズム」の提供を推進し、より多くの生活者の健康習慣をサポートするタッチポイントを増やしていく考えだ。

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