シミックホールディングスは16日、PHR(Personal Health Record)サービス事業を展開する計15社による「PHRサービス事業協会(仮称)」に参画し、PHR標準化を検討する「分科会2」の幹事を担当すると発表した。
PHRは、健診(検診)情報、予防接種歴、薬剤情報、検査結果など、診療関連情報及び個人が自ら日々測定するバイタル等生涯にわたる個人の保健医療情報を意味する。また、PHRサービス事業を展開する15社は、塩野義製薬、エーザイ、エムティーアイ、オムロン、KDDI、シミック、住友生命保険相互会社など。
シミックは、2005年から「Personal Health Value Creator」を目指し、個々人の生きがいを向上する取り組みを推進してきた。2019年には、電子お薬手帳システム「harmo(ハルモ)」を事業承継し、個人情報と収集したデータを分離して保存可能なコミュニケーションチャネルのプラットフォームとして本格的にPHR事業を展開している。
harmoは、その拡張性の高さから、臨床試験等での活用のほか、「harmoワクチンケア」として、新型コロナワクチン接種においても全国20以上の自治体で約100万人の安全性チェックに使用された。
シミックは、これまで培った製薬・医療の世界における深いコミュニケーションに加え、harmo事業を通じたPHRに関する幅広い知見と経験を活かし、今回、同協会の設立メンバー、及び「分科会2」の幹事として参画する。
分科会2では、PHRの更なる普及・利便性向上のため、またPHRをより安心して使って貰うために、PHRサービスで取り扱う情報の標準化やポータビリティの確保に向けた課題に取り組む。
具体的には、医療従事者及びユーザーそれぞれの使用シーンを想定し、データの受入れから保管・管理・閲覧、書き出し等について、信頼性基準やデータ形式の標準化についての議論・検討を会員企業と一緒に推進していく。
この取組みを通じて、PHRを安心して利活用できる環境を構築し、最終的に国民の健康および生きがいの向上への貢献を目指す。
◆中村和男シミックホールディングス代表取締役CEOのコメント
PHRは、一人ひとりが生きがいをもって人生を全うするうえで、重要なツールとなることは言うまでもない。一方で、PHRの普及のためには、各事業者が協力し、データを最大限有用に生かせるよう業界のスタンダードを構築していくことが必要である。
シミックは、本協会「分科会2」の幹事として、何を標準化するべきか、医療従事者やユーザーが使いやすいPHRとは何かということを常に念頭に置き、会員企業の皆様と議論を深め、PHRの標準化策定に努めていきたい。
当社は、本協会の設立を機に、今後さらなるPHRの普及促進に向け、会員各企業との連携を深め、役割を果たしていく。