Vasomune社が新型コロナ肺炎治療薬開発で米国国防総省から助成金獲得  アンジェス

 アンジェスは2日、戦略的パートナーのVasomune Therapeutics社が、8月1日付けで新型コロナウイルス感染症による急性肺損傷傷害(ALI)および急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の治療薬「AV-001」の開発費として、2020 年 8 月 1 日付で、米国国防総省(Defence: DoD)から280万ドルの医療研究プログラム(Peer-Reviewed Medical Research Program:PRMRP)助成金を受賞したと発表した。Vasomune社は、戦略的パートナーであるアンジェスと共に、AV-001を中等度または重症のCOVID-19等の病原性ARDSの治療薬候補として共同開発している。
AV-001は、体内に存在する天然のリガンドであるAngiopoietin-1の機能を真似て、Tie2-angiopoietinシグナル伝達経路を活性化し、血管内皮細胞の安定および正常な血管の機能を回復するように設計された治療薬候補。COVID-19を惹き起こすウイルスは肺内皮細胞を攻撃して、血管バリア機能破壊、凝固系を活性化し、さらに血管内炎症および炎症性細胞の遊走を促進する。
 ウイルスの初期感染の後、COVID-19 により入院した患者の約 30%は重症化して、進行性の肺傷害を惹き起こし、血管漏出、臓器不全、あるいは死に至る可能性がある。
 なお、コロナウイルスによるパンデミックの発生前においては、ARDS の年間合計発生率は米国および EUで年間約37万人、平均死亡率は40%。現時点で、ARDS 治療に有効な治療薬はない。
 今回、Vasomune社のAV-001治療薬開発プログラムは、二段階の厳格なピアレビューシステム(招待された申請者全体の16.5%が資金提供の推薦を受けられる)を経て、「Outstanding(卓越)」というアプリケーションスコア(1:最高~5 の尺度で 1.4)を獲得した。Vasomune 社の助成金は、DoD オフィスの連邦議会管理医療プログラム(CDMRP)の中のPRMRPから授与された。
 また、Vasomune社は、米国FDAとコロナウイルス治療薬迅速化プログラム (CTAP)の会議を予定しており、2020年の秋に臨床開発に移行する見込み。

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