長時間作用型抗体併用療法Evusheld 新型コロナオミクロン変異株 BA.4・BA.5に中和活性保持 アストラゼネカ

 アストラゼネカは1日、 Evusheld(チキサゲビマブおよびシルガビマブの併用療法、開発コード:AZD7442)について、オックスフォード大学が新たに実施した偽型ウイルス非臨床試験で、最近出現したオミクロン変異株 BA.4およびBA.5(BA.4/5)に対して中和活性を保持することが示されたと発表した。
 同試験結果は、プレプリントサーバーbioRxiv にオンラインで投稿された(https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2022.05.21.492554v1)
 これらの結果は、Evusheld が現在もっとも流行しているオミクロン変異株 BA.2に対して強力な中和活性を保持し、かつ現在までに検討されたすべての SARS-CoV-2 変異株を中和するという複数の試験で得られた過去のデータと一致している。
 これまでに流行した SARS-CoV-2 変異株の流行拡大パターンを考慮すると、現在アフリカで最も流行している変異株であるBA.4および BA.5 も、BA.2 と同様に世界中に広がる可能性がある。
 BA.4およびBA.5は、スパイクタンパク質のアミノ酸配列が同一であり、これらのウイルスはBA.2から進化したものと見られている。
  世界人口の約2%にあたる人々は、COVID-19ワクチンに対して十分に反応しないリスクの高い集団であると考えられており、COVID-19 の曝露前予防のために Evusheld が特に有効となる可能性がある。
 これらの人々には、がん患者、臓器移植を受けた患者、あるいは免疫抑制剤を使用中の患者など、免疫不全状態の患者が含まれる。
 SARS-CoV-2ウイルスへの曝露リスクの高い人々も、Evusheld による保護のベネフィットが得られる可能性がある。最近の新たなエビデンスは、感染リスクの高い集団を COVID-19 の感染から保護することが、変異株出現の重要な要因であるウイルスの進化を阻止できる可能性を示している

◆John L. Perezアストラゼネカシニアバイスプレジデント兼ワクチンおよび免疫療法・後期開発担当のコメント
 Evusheldは、SARS-CoV-2に対して異なる部位を認識し、補完的な活性を有する2つの強力な抗体を組み合わせることで、COVID-19に賢く対応し、このウイルスが急速に変異を遂げる能力に直面しても効力を保持するよう開発当初から設計されている。
 これらの結果は、Evusheld が COVID-19 ワクチンに対して十分な免疫応答が得られない免疫不全の患者さんや重度の疾患のリスクが高い人々など、SARS-CoV-2 に感染した場合に重篤化するリスクの高い集団を保護するための重要な選択肢であることを示している。

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