クラウドベースの糖尿病患者データ管理システムの提供開始 アボット

 アボットは、クラウドベースの糖尿病患者データ管理システム「リブレ View」を、糖尿病患者及び医療従事者向けに提供を開始した。同サービスにより、日本国内で「FreeStyleリブレ」を利用する全ての糖尿病患者および医療従事者は、グルコースデータを紙や電子記録でやり取りせずに、クラウド上でデータ共有を行う「リブレ View」の利用が可能になる。
 糖尿病患者が医療機関への受診に慎重になっている現在の状況下において、リブレView利用により、医師や看護師が患者のグルコースデータを参照することが可能となり、長期的な血糖の推移や傾向についての患者との話し合いができる。
 糖尿病患者は、ノートパソコンなどのデバイスから、FreeStyleリブレのリーダーに記録された全グルコースデータをクラウドベースのリブレViewシステムにアップロードできる。
 また、国際規格ISO 27001に準拠したクラウドベースのシステムであるため、患者と医療従事者双方の安全なデータ管理を実現する。患者は、グルコースデータを印刷して持参する必要がなくなり、医師に自身のデータへのアクセスを許可するか、もしくはグルコースデータを電子メールで送信するかを選択できる。
 対面診療による新型コロナウイルスの感染機会削減のため、4月からオンライン診療の導入が進んでいる。
 こうした中、リブレViewは、複数の患者のグルコースデータの一元管理が可能である。主要な機能は、TIR(Time in Range)やAGP(Ambulatory Glucose Profile、血糖トレンド)、日々のグルコース変動などの主要指標の一覧表示だ。これにより、医師はさらなるモニタリングと支援が必要となり得る患者を優先して治療することができる。
 リブレViewは、FreeStyleリブレなどの持続グルコース測定器で記録した患者のグルコースデータをクラウドに保存することで、患者と医療従事者間でのデータ共有が可能となり、また複数の患者さんの一元的なデータ管理や様々なレポートが入手できる、新しいクラウドベースの糖尿病患者データ管理システムだ。
 情報セキュリティマネジメントシステムに関する国際規格ISO 27001にも準拠した形で安全なデータ管理を実現する(リブレView ウェブサイトhttps://clk.nxlk.jp/9AXOBiHK)。
西村理明東京慈恵会医科大学 糖尿病・代謝・内分泌内科主任教授のコメント
 良好な血糖コントロールを維持することで、糖尿病の重症化を防ぎ、予後を改善することができる。今後は、デジタルデータを積極的に活用し、医療従事者が患者さんの糖尿病の管理状況についての詳細なデータにアクセスしつつ、オンライン上で糖尿病患者さんへの医学的な指導を行うなど、診療のオプションを増やさざるを得なくなると考えている。
 リブレViewでは、過去のグルコースデータの測定値について比較・参照することができるため、医療従事者は詳細な情報を把握して、患者さんをより適切にフォローすることが可能になる。

タイトルとURLをコピーしました