ウパダシチニブ FDAが活動性強直性脊椎炎の経口治療薬として承認 アッヴィ合同会社

 アッヴィ合同会社は、ウパダシチニブについて、米国FDAより活動性強直性脊椎炎の経口治療薬として承認されたことを明らかにした。
 対象は、1種類以上の腫瘍壊死因子(TNF)阻害薬に対し効果不十分または不耐容であった活動性強直性脊椎炎(AS)の成人患者。
 FDAによる活動性強直性脊椎炎に対する承認は、ウパダシチニブの免疫介在性炎症性疾患における5番目の適応となる。
 FDAのASに対する承認は、P3相SELECT-AXIS 2試験(試験1)およびP2/3相SELECT-AXIS1試験の2試験によるもの。
 P3相SELECT-AXIS 2試験は、1または2種類の生物学的製剤(bDMARD)に対し効果不十分または不耐容であった患者を対象にウパダシチニブを評価するP3相試験。
 P2/3相SELECT-AXIS1試験は、bDMARDによる治療歴がなく、2種類以上の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に対し効果不十分または不耐容であった患者さんを対象にウパダシチニブを評価したもの。
 2つのピボタル試験において、ウパダシチニブは約半数の活動性強直性脊椎炎患者で14週時のASAS40を達成(ウパダシチニブ群の51%および44.5%に対し、プラセボ群で26%および18.2%)、プラセボ群と比較し有意な疾患コントロールを示した。
 SELECT-AXIS1およびSELECT-AXIS 2の両試験において、主要評価項目である14週時のASAS40を達成した患者の割合は、ウパダシチニブ15 mg群(それぞれ51%および44.5%)がプラセボ群(それぞれ26%および18.2%)と比較して有意に高い結果となった。
 また、SELECT-AXIS 2試験では、ASAS40に関する臨床効果が4週時と早期に認められた。

◆アッヴィsenior vice president of research and development 兼 chief scientific officer のThomas Hudson M.D.氏のコメント
 ASは、若年成人に好発し、時間の経過とともに持続的な構造的損傷に至る可能性があり、患者さんの生活に心理的負担を及ぼすこともある。
 今回の承認は、リウマチ性疾患の標準治療を進展させるというアッヴィの使命において重要な一歩である。

◆オレゴン健康科学大学医学部教授兼関節炎・リウマチ性疾患科リウマチクリニック内科部長で、SELECT-AXIS1試験の治験責任医師のAtul Deodhar氏(M.D)のコメント
 既存の生物学的療法では疾患コントロールの達成が難しいAS患者さんも存在するため、この疾患の徴候と症状の緩和には新たな治療法が必要である。
 今回のFDAによる承認は、TNF阻害薬が奏功しない患者さんにとって、経口投与による新たな治療選択肢となり、リウマチ専門医の協力のもと疾患をコントロールする助けとなる。

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