ワクチンや治療薬の「緊急承認制度」の成立など薬機法改正について報告 2022年度京都府薬事審議会

 2022年度京都府薬事審議会は17日、京都市内のホテルで開催され、ワクチンや治療薬の「緊急承認制度」や「電子処方箋の導入」に伴う薬機法改正の報告、「地域連携薬局及び専門医療機関連携薬局」、「後発医薬品を中心とする府内製造等医薬品の品質確保に関する取組み」について説明された。
 感染症のパンデミック等の緊急時に、ワクチンや治療薬を迅速に使えるようにするための‟緊急承認制度”は、13日に参院本会議で可決され、20日に公布された。
 同制度は、緊急時において、安全性の確認を前提に、医薬品などの有効性が推定された時に、条件や期限付きの承認を与える迅速な薬事承認の仕組みを整備するというもので、20日の公布日に施行された。
 適応対象となる医薬品等の条件は、今回の新型コロナ感染症パンデミックなど、「国民の生命と健康に重大な影響を与える恐れがある疾病の蔓延、その他の健康被害を防止するために緊急に使用されることが必要な医薬品について、他の代替手段が存在しない場合」と定義している。
 安全性の確認を前提に、医薬品等の有効性が推定された時に薬事承認を与えることができる。有効性が推定された段階での承認のため、承認に当たっては、当該承認の対象となる医薬品等の適正な使用確保のために必要な条件および使用期間の期限が付される。
 承認審査の迅速のため、GMP調査、国家検定、容器包装について特例措置が講じられる。
 また、来年1月からスタートする電子処方箋については、同審議会において「電子処方箋はレセプトデータが入力されてからの情報となるので、タイムラグがある」との指摘があり、「今後、電子処方箋とともに電子くすり手帳の内容の活用も含めて、府民に周知徹底していく」ことが確認された。
 地域連携薬局及び専門医療機関連携薬局については、京都府下での軒数は前者が63軒、後者が0件。京都府医師会から掛かり付け薬局と地域連携薬局の違いについて質問があり、京都府薬剤師会が「地域連携薬局には、かかりつけ薬局に加えて24時間対応、在宅対応などの+αとなる認定基準がある。その+αの機能を標榜するために法改正によって地域連携薬局ができた」と回答。今後、「府民に対して地域連携薬局の周知徹底を図っていく重要性」が指摘された。
 新型コロナウイルス感染症における経口薬は、京都府下の登録数は、ラゲブリオが医療機関745軒(投与実績1824人)、薬局390軒(同2609人)、パキロビッドパックが、医療機関70軒(同139人)、薬局6軒(同1人)。
 2年前の小林化工の不祥事から端を発した後発品を中心とする品質確保については、薬事関係法令、国方針、府監視指導計画等に基づき、後発医薬品を含む府内医薬品製造販売業者及び医薬品製造業者に対し適切な製造管理及び品質管理の確保について一層の指導等を進めていく。
 その他、京都府では、令和2年4月に保健環境研究所内に「京都府薬事支援センター」を設置し、研究から実用化後まで、あらゆる面での薬事(規制)に関する(支援)サポートしていることも報告された。

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