前立腺がん治療剤レルゴリクス 欧州で承認取得 住友ファーマ

 住友ファーマは2日、オルゴビクス(一般名:レルゴリクス)について、欧州委員会より、成人におけるホルモン感受性の進行性前立腺がんを適応症とした欧州で初めてかつ唯一の経口アンドロゲン除去療法として承認を取得したと発表した。
 加えて、同剤の発売までに欧州での販売パートナーを確保する見込みであることも明らかにした。同社連結子会社のマイオバント・サイエンシズ・リミテッドが4 月29 日(現地時間)に公表したもの。
 今回の欧州委員会による承認は、アンドロゲン感受性の進行性前立腺がん患者1000人以上を対象に同剤の安全性と有効性を評価したランダム化、オープンラベル、並行群間、国際共同P3試験(HERO 試験)のデータに基づいている。同承認は、27 の欧州連合加盟国すべてに加えて、アイスランド、ノルウェー、リヒテンシュタインに適用される。
 マイオバント社は、欧州での同剤の発売に先立って、今後数週間以内に、欧州における本剤の販売提携に関して発表する予定だ。
 前立腺がんは、欧州連合(EU)における主要な死因であり、2016年には約6万5200人の男性が亡くなっている。
 欧州委員会の統計担当部局であるEurostat によると、前立腺がんの標準化死亡率は、男性10 万人当たり 38 人である。
 進行性の前立腺がんは、最初の治療後に進行または再発する前立腺がんであり、生化学的再発(画像上で転移が認められずに前立腺特異抗原(PSA)が上昇する)、局所進行または転移を伴う。
 進行性前立腺がんの一次治療には、テストステロンを去勢状態(<50ng/dL)まで強力に抑制するアンドロゲン除去療法が選択され、リュープロレリン酢酸塩の徐放性製剤などの黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)受容体アゴニストが現在の標準治療である。
 一方、LHRH 受容体アゴニストは、症状悪化につながる恐れがありフレア現象とも呼ばれている治療初期のテストステロン上昇や薬剤中止後のテストステロン回復の遅延など、薬剤の作用機序に起因する望ましくない現象が示唆されている。

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