エムティーアイの『ルナルナ』と希少疾患疾患啓発で連携を開始 武田薬品

 武田薬品は19日、エムティーアイが運営する『ルナルナ』と希少疾患の疾患啓発で連携を開始したと発表した。
 同連携は、ライフステージや悩みにあわせて女性の一生をサポートする健康情報サービス『ルナルナ』および女性と医師をつなぐサポートツール「ルナルナ メディコ」を活用したフォン・ヴィレブランド病の疾患啓発を目的としたもの。
 遺伝性の血液疾患の1種であるフォン・ヴィレブランド病(VWD)は、血液中にあるフォン・ヴィレブランド因子というたんぱく質が欠乏したり、働きに異常があるため出血が止まりにくくなる疾患だ。
 女性の場合は過多月経の症状から発覚する場合もあり、海外の研究では女性のVWD患者さんの約7割が月経期間に日常生活に何らかの支障をきたしているという報告もある。


 疾患自体の認知度が低く受診に至りにくいことや、医師の間でも認知の差があることで正しい診断がつかないなどといった課題も存在する。こうした背景を受け、今回の疾患啓発では、VWDについて『ルナルナ』と「ルナルナ メディコ」を通じて患者、医師それぞれに情報提供を行う。
 患者は、『ルナルナ』アプリから受診・相談サポートを行える「ルナルナ メディコ」内に設置した武田薬品提供のチェックリストを用いて、月経異常・止血異常のセルフチェックに回答し、VWDの可能性について確かめることができる。
 VWDの可能性がある場合は、医療機関への受診が促されるとともに、武田薬品が運営するVWDに関する情報サイト「フォン・ヴィレブランド病.jp」(https://vonwillebrand.jp/)が案内され、より詳しい疾患の情報や対処法を知れるようになっている。
 医師には、セルフチェックの結果VWDの可能性がある患者が「ルナルナ メディコ」を利用して受診した際に、VWDの可能性があることを患者同意のもと案内し、同時に武田薬品が運営する医師向け疾患啓発サイトが表示される。
 また、今後は患者が『ルナルナ』に登録した月経のデータからも、VWDの可能性を示唆する情報を医師が確認できるようになる予定だ。
 これにより、疾患の可能性がある患者が受診した場合は症状を見過ごさないよう、より注意して診察したり、必要であれば専門の診療科へ紹介などが可能となる。患者・医師双方への疾患啓発を行うことで、早期診断による患者さんのウェルビーイングへの貢献が期待される。
 エムティーアイは今後『ルナルナ』および「ルナルナ メディコ」を通じて、VWDに限らず、デジタルツールを活用した疾患啓発の効果や可能性を検証し、さまざまな疾患に関する情報発信・啓発活動を行う。
 また、患者、医師双方に働きかけることで、医療機関への適切な受診や診察をサポートし、疾患の早期発見・早期治療が可能な社会を実現する一助となることを目指す。
 武田薬品は、治療薬の創出にとどまらず、希少疾患を取り巻くエコシステムの形成・改善を通じて、患者とその家族に価値提供できる優れたパートナーとなることが重要であると考えており、他企業とのパートナーシップを用いて、さまざまな希少疾患の患者さんの健康に貢献していく。

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