オプジーボとRelatlimabの固定用量配合剤 FDAが悪性黒色腫治療薬として承認 小野薬品

 小野薬品は22日、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)とRelatlimabの固定用量配合剤での新規ファースト・イン・クラスの併用療法であるOpdualagについて、米国FDAが、悪性黒色腫治療薬として承認したと発表した。対象は、切除不能または転移性悪性黒色腫の成人および12歳以上の小児患者。同社と提携するブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)が18日に公表したもの。
 この承認は、Opdualag(355例)をニボルマブ単剤療法(359例)と比較評価したP2/3相RELATIVITY-047試験に基づいている。
 同試験において、Opdualagは、ニボルマブ単剤療法と比較して、無増悪生存期間(PFS)の中央値を2倍以上に延長し、主要評価項目のPFSを達成した。
 PFSの中央値は、Opdualag群で10.1カ月(95% 信頼区間 [CI]:6.4 – 15.7)、ニボルマブ群では4.6カ月でした(95% CI:3.4 – 5.6)(ハザード比 [HR] 0.75;95% CI:0.62 – 0.92、P=0.0055)。
 Opdualagの安全性プロファイルは、これまでに報告されたニボルマブのものと同様であった。ニボルマブ単剤療法と比較して、同併用療法に関する新たな安全性事象は認められなかった。
 グレード3~4の薬剤に関連する有害事象が、Opdualag群の18.9%、ニボルマブ群の9.7%で発現した。投与中止に至った薬剤に関連する有害事象が、Opdualag群の14.6%、ニボルマブ群の6.7%で発現した。
 Opdualagの「警告および注意」には、次の事象が含まれている。
 重度かつ致死的な免疫介在性の副作用(免疫介在性肺臓炎、免疫介在性大腸炎、免疫介在性肝炎、免疫介在性内分泌障害、腎機能障害を伴う免疫介在性腎炎、免疫介在性皮膚関連副作用、免疫介在性心筋炎およびその他の免疫介在性副作用)、Infusion reaction、同種造血幹細胞移植(HSCT)の合併症および胎児毒性。
 リンパ球活性化遺伝子3(LAG-3)とprogrammed death-1(PD-1)は、2つの異なる抑制性免疫チェックポイントで、腫瘍浸潤リンパ球上に同時発現する場合が多く、腫瘍を介したT細胞の疲弊に関与する。
 ニボルマブ(抗PD-1抗体)とRelatlimab(抗LAG-3抗体)の併用療法は、どちらか一方を単剤療法として使用した場合よりも、T細胞の活性化を促進する。
 Relatlimab(ニボルマブとの併用療法による)は、P3試験でベネフィットを示した最初の抗LAG-3抗体である。ブリストル マイヤーズ スクイブにとっては(抗PD-1抗体および抗CTLA-4抗体と並び)3つ目のチェックポイント阻害薬になる。
 成人患者および12歳以上かつ体重40キロ以上の小児患者に対して、FDAが承認した用法用量は、「ニボルマブ480 mg およびRelatlimab 160 mgを4週間間隔で点滴静注する。12歳以上で体重40キロ未満の小児患者および12歳未満の小児患者に対する推奨用量は確立されていない」
 今回の申請は、一刻も早く安全かつ有効な治療薬を患者に届けることを目的とするFDAのリアルタイムオンコロジーレビュー(RTOR)パイロットプログラムの下で承認された。審査は、オーストラリア、ブラジル、スイスの保健当局による同時審査が可能であるFDAのProject Orbisイニシアチブの下でも実施されており、現在もこれらの国では審査が継続している。

◆ダナファーバーがん研究所メラノーマセンター長兼がん免疫療法センター長のF. Stephen Hodi(M.D.)氏のコメント
 免疫チェックポイント阻害薬が10年以上前に初めて承認されて以来、我々は、免疫療法薬が単剤療法および併用療法で進行悪性黒色腫患者さんの治療に革新をもたらすさまを目にしてきた。
 本日の承認は、とりわけ重要である。免疫療法薬2剤によるこのまったく新しい併用療法は、LAG-3とPD-1の2つの異なる免疫チェックポイントを標的とすることで相乗効果を発揮し、抗腫瘍応答を促進する可能性を示している

◆BMSグローバル医薬品開発チーフ・メディカル・オフィサーのSamit Hirawat氏のコメント
 我々は、過去十年間で進行悪性黒色腫の治療法を大きく進展させてきたが、これらの患者さんに免疫療法薬2剤による併用療法の治療選択肢をより拡充するよう注力している。
 ニボルマブとの固定用量配合剤のリラトリマブでLAG-3を阻害することは、革新的な免疫療法薬の選択肢を患者さんにお届けするという当社の実績に基づいた新しい治療アプローチを示している。当社の3つ目となるチェックポイント阻害薬での新たな医薬品の承認は、単剤療法にとどまらず、より多くの選択肢を患者さんに提供するための重要な一歩を示している。

◆メラノーマ・リサーチ・アライアンスのプレジデント兼CEOのMichael Kaplan氏のコメント
 本日の承認は胸躍るニュースであり、悪性黒色腫のコミュニティに新たな希望をもたらす。この治療法が使用できれば、患者さんは免疫療法薬2剤によるファースト・イン・クラスの併用療法からベネフィットを得られるかもしれない。

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