診断と治療を一体化する新たな医療技術「ラジオセラノスティクス」の進展をオンデマンドで公表 京都薬科大学

 京都薬科大学は、「受容体特異的画像化技術を基盤とするがん放射線内用療法(ラジオセラノスティクス)研究拠点の形成」に関する事業についての公開シンポジウムを11日より31日までオンデマンドで公表している。
 同事業は、「平成30年度文部科学省 私立大学研究ブランディング事業」(2018~2020年度)の支援対象校として採択されたもの。その基盤を生かし、同シンポジウムを通して、さらに国際協調を見据えた大学・研究所間連携を展開させていくことを目指している。
 同事業における公開シンポジウムは、2019年3月と2021年3月に開催し、今回で3回目となる。今年度は、イメージング技術を活用した研究や臨床応用について、国内外におけるトップクラスの研究機関から講師を招き、最新の研究活動について紹介。
 薬学部を擁し、カナダでトップクラスの大学である「アルバータ大学」と、日本における放射線医学研究のトップ機関である「量子科学技術研究開発機構 量子医科学研究所」からの講演、および本学で進展してきた共同研究などについての講演をプログラムしている。
 昨年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症の影響に鑑みて、オンデマンド配信で開催される。
 京都薬科大学では、優れた研究基盤をもとに放射線内用療法radio-theranostics「therapeutics(治療)+diagnostics(診断)」研究拠点を構築・機能させ、次世代がん研究の同学のブランドとして推進。さらに、同成果を突破口として、「先進的な研究に支えられた薬学のプロフェッショナルの育成を追求する大学」として “京薬ブランド”を世界に発信することを目指している。
 「ラジオセラノスティクス」は、微小がんの病巣可視化からシームレスにがん治療へと移行できる、つまり“診断と治療を一体化する”新たな医療技術として、核医学の領域で今後の発展が最も期待されているがん治療法のひとつだ。
 京都薬科大学では、小動物に投与した放射性同位元素(γ線放出核種)を世界最高水準の精度で高感度に測定する装置SPECT/CT(ベルギーMOLECUBES社製)を2018年に日本で初めて導入。
 さらに、ドイツやベルギーなどの国際共同研究機関と協働し、撮像条件の最適化やSPECT装置であるγ-CUBE専用の高エネルギー用コリメータの開発などを進めてきた。
 これらの研究基盤を活用し、がんセラノスティクスを目指した化合物創製とイメージング研究や、iPS細胞技術との融合によるパーキンソン病の病態解明などを中心に研究を推進している。
 同大学では、今後も引き続き、同事業で構築してきた研究基盤を戦略的に活用し、「ラジオセラノスティクス」の普及や様々な治療への応用を目指すとともに、同シンポジウムを契機に大学・研究所間のさらなる連携を進めていく。

【 第3回公開シンポジウム 】実施概要は、次の通り。
◆配信日時:3月11日~3月31日17時まで
◆開催形式:Webオンデマンド配信
質問および回答はテキスト形式(視聴申込者へ質問受付フォームを送信)
◆視聴方法:事前申込制
URL(https://forms.office.com/r/cHjzz6EnJ2)またはQRコードより申込む。後日、登録したメールアドレスに視聴用URLが送られる。


◆申込期間:3月11日~3月31日13時まで

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