大阪万博成功に向けて全力で奮闘! 2025大阪・関西万博に向けた未来社会デザインシンポジウム2022

左から長谷川氏、吉村知事、松井市長、森下氏

日本抗加齢医学会は、21日、3回目となる「2025大阪・関西万博に向けた未来社会デザインシンポジウム2022」を開催した。
 「2025大阪・関西万博をどう成功に導くか」をテーマとしたパネルディスカッションでは、吉村洋文大阪府知事、松井一郎大阪市長、森下竜一大阪パビリオン総合プロデューサー(大阪大学教授)が、万博準備の進捗状況報告や成功のための課題について討論した。
 その中で、座長でジャーナリストの長谷川幸洋氏と森下氏から、万博開催の最重要課題として「規制緩和」が指摘され、松井市長が、「近いうちに大阪がスーパーシティ型国家戦略特別区域を取得できるように尽力している」と強調。「SDGSの達成とSociety5.0の実現、未来社会のために共創して大阪・関西万博成功に向けて全力で奮闘していく」ことが確認された。

吉村知事


 パネルディスカッションで万博の進捗状況について報告した吉村知事は、「いよいよ3年余りと迫ってきた。本年1月1日に大阪府と大阪市の合同で実行部隊となる‟万博推進局”を立ち上げ、最終段階に向けて走り出している」と説明。
 その上で、大阪ヘルスケアパビリオン(仮称)について、「政府館に次ぐ大きさで、エントランスから近く入場ゲートを潜るとすぐに目に着く。地元の大阪パビリオンを如何に成功させるかが、万博成功に直結すると考えている」と意気込み、「豊かに生きている未来社会を、ワクワクする感じで是非ご覧頂きたい」と呼びかけた。

松井市長


 松井市長も大阪パビリオンについて、「いのち、健康を軸に未来の暮らしを体現できるような展示を検討している。2021年度内には出展に向けた基本計画を策定して、本年4月から建築や展示を実行していく」と明言。
 さらに、「現在、平均寿命と健康寿命に10歳のギャップがある。大阪大学や国立循環器病研究センター、本年4月より大阪市大と府大が一つになる公立大学など、大阪・関西の英知を結集してこのギャップを埋め、人生を最後まで豊かに過ごせることを実行できるパビリオンにしたい」と抱負を述べた。
 大阪中之島では、本年2月2日に美術館が完成し、iPS細胞を用いた治療などを試みる未来医療国際拠点も2024年完成を予定している。2024年には、健康に生きていくための研究を目的とした緑豊かなセントラルパークの梅北2期も完成する。
 松井市長は、「この10年間、大阪のポテンシャルを信じて、大阪府・市一体となって、万博も含めた民の力が一つに結集できる制度を作ってきた。万博と新たな未来医療拠点をセットにした準備により、万博でのイノベーションが可能になった」と言い切る。
 吉村知事は、SDGs達成に向けて、「SDGsの理念と万博は通じるところがある」とした上で、「これらの拠点と万博会場を結ぶことで、大阪そのものをSDGsが実現できる都市にしたい。万博の年で終わりではなく、2025年以降に本当の万博開催の意義が出てくる」と訴えかけた。
 一方、森下氏は、「万博は、夢洲だけでなく、中之島、梅北、大阪・関西各地へと繋がっていく。もう一つ見逃せないのは、バーチャルで世界にも繋がる」と強調。
 その上で、「1970年の大阪万博はそれだけで終わったが、今回は、万博を契機に大阪の魅力を世界に発信し、大阪・関西の経済発展に繋がることを目指したい」と力を込めた。
 森下氏は、規制緩和にも言及し、「万博で2050年の未来生活を見せるには、規制緩和が不可欠となる。大阪には、是非、スーパーシティを勝ち取って頂きたい」と吉村知事、松井市長に要望した。
 松井市長は、「スーパーシティは、規制緩和して新しい産業を作り出すために国が提案したものだ。大阪では、スーパーシティ獲得に向けて霞ヶ関と協議を重ねており、一歩一歩階段を上がっている」と報告。さらに、「日程的には送れているが、近いうちに認定を取れると思っている」と述べた。

森下氏


 同シンポジウムでは、大阪ヘルスケアパビリオンの詳細について、大阪パビリオン推進総合プロデューサーの森下氏が講演した。
 大阪ヘルスケアパビリオンは、「REBORN」をテーマに「健康」という観点から未来社会の新しい価値創造に取り組み、「知る・感じる」「体験できる」「みんなで参加できる」という視点で2025年日本国際博覧会の3つのサブテーマ「いのちを救う」「いのちに力を与える」「いのちをつなぐ」にアプローチしていくことを検討。日本抗加齢協会、日本抗加齢医学会も協力している。
 大阪ヘルスケアパビリオンは、「世界に大阪の魅力・活力を伝える」ことを主目的としたもので、延べ床面積は8万0950㎡。
 「REBORN」には、「人は生まれ変われる。そして、新たな一歩を踏み出す」思いが込められている。このテーマのもと、パビリオン会場では、未来の都市生活を描き、大阪が持つ最先端の医療技術やライフサイエンス、医療産業、食や文化、観光といった大阪の個性をアピールしていく。
 大阪パビリオンの中は、未来の都市が形成されている。来館者は、そこに暮らす生活者として、日常生活の中で自分の体について知ることができ、同時に自分に合った食や体、心に関する「REBORN」を体験できる。
 特に、設置されたスキャニングマシーンや未来のモビリティをイメージした車の中で、体や生体に関する様々な情報を取得。その情報をもとに個々に合った「REBORN」が体験できるヘルスケアサービスやエンターテイメントを提案してくれる。
 また、その人の体に必要な栄養素を提案してくれるレストラン、ヒーリングサービス、フィットネスプログラム、アンチエイジングアドバイスなど、様々なジャンルが用意される。
 再生医療や遺伝子医療といった未来の先進医療を体験できるゾーンも開設される。ここでは、子供達も参加して学べるような体験型の展示を展開する。
 未来の大阪に向けた企業やスタートアップの展示ゾーン、最先端のXR技術を用いて大阪ならではのエンターテイメントを発信するイベントゾーン、美味しくて体に良い新しい大阪フードや企業クリエーターと一緒に作る大阪パビリオングッズを展開するコーナーなど、様々な体験で来館者を出迎える。
 バーチャルパビリオンを設置して、世界中から24時間アクセスできるのも見逃せない。
 森下氏は、「2050年の未来の大阪は、進化して暮らしている人がハッピーに生きている世界になっている」と確信する。

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