大日本住友製薬は5日、仕事始めを迎え、野村博社長が2022年年頭所感を述べた。主な概要は、次の通り。
2021 年は前年に引き続き、多くの従業員に在宅勤務をお願いしたが、コロナ禍においても皆さんがそれぞれの課題解決に対して、前向きに「CHANTO」取り組んでいただいたことに厚く感謝申し上げる。
2021年は、Roivant社との戦略的提携により取得した「オルゴビクス」「マイフェンブリー」「ジェムテサ」の3 製品を米国で上市することができた。
また、中期経営計画で掲げたグローバルレベルでのパートナリング戦略の第一弾として、精神神経領域の4 つの開発パイプラインを対象に大塚製薬と共同開発および共同販売の契約を締結した。両社による大きなシナジーの発揮を期待している。
さらに、 2021年は、米国では小児先天性無胸腺症向け「リサイミック」の承認を取得し、日本では2型糖尿病治療剤「ツイミーグ」を発売した。一方で、膠芽腫を対象としたDSP-7888 のフェーズ3 試験の中止を発表した。
がん領域では、有望な開発パイプラインや新しいモダリティーが研究段階で進捗しているので、しっかり成果を出すための努力をしていく。
2022年は、米国で「マイフェンブリー」の子宮内膜症の適応追加の取得、大塚製薬と共同開発する ulotaront(SEP-363856)の第二、第三の適応症の決定と臨床試験の開始を予定している。
フロンティア領域では、日本で認知症周辺症状用機器、米国で社交不安障害用VRコンテンツが提携会社から発売される予定である。
再生・細胞医薬分野では、パーキンソン病を対象としたiPS 細胞由来ドパミン神経前駆細胞について、2023 年度の日本での上市を目指すとともに、米国での展開も進める。
中期経営計画の最終年度にあたる2022 年度は、「ラツーダ」の独占販売期間終了後の新しいフェーズに向き合うための準備期間である。内外の環境変化によって、当社の課題も自ずとチャレンジングになってくる。
このような不確実性の高い状況下でも、私たちがプロアクティブに行動し、果敢に課題に挑戦して結果を出していくことが必要である。従業員一人ひとりがしっかり自律・自立して、組織の能力を最大限に発揮し、チーム一丸となっていかなる困難も克服するという強い意志を皆さんにお持ちいただきたいと考える。 4月には、社名を「大日本住友製薬」から「住友ファーマ」に変更する。企業ブランドを世界共通ブランドとして明確にすることで、皆さんが一体感と住友ブランドに対するプライドをもって仕事をしていただけると信じている。