新型コロナワクチンP1/2試験で回復者血清と同程度の中和抗体価上昇確認  塩野義製薬

 塩野義製薬は7日、新型コロナワクチンS-268019について、国内P1/2相臨床試験結果として、容認性・安全性に加えて、2回接種2週後から回復者血清と同程度の中和抗体価の上昇が確認されたことなどを公表した。同試験結果は、3日~5日まで開催された第25回日本ワクチン学会学術集会で発表された。
 ワクチン学会では、これまで非臨床で実施した免疫原性試験の結果をはじめ、本年8月から開始した新製剤による国内P1/2相臨床試験の結果の速報について報告された。
 同臨床試験は、日本人成人を対象とした無作為化プラセボ対照二重盲検比較試験で、S-268019を2回接種した際の安全性、忍容性ならびに免疫原性の結果から、抗原タンパク量の至適用量を検討。さらに、各指標を接種後1年間追跡評価する。今回の試験結果の要約は次の通り。

◆S-268019新製剤の2回接種後における忍容性と安全性が確認された。

◆2回接種2週後から、回復者血清と同程度の中和抗体価の上昇が確認された。

◆Th1反応およびTh2反応はともに促進されたが、Th1/Th2バランスはTh2優位にはならなかった

 塩野義製薬では、これらの結果をもとに、現在、国内P2/3相臨床試験および国内追加免疫試験を実施している。今後の承認申請に向けては、引き続き厚労省や医薬品医療機器総合機構(PMDA)などと協議を図っていく。

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