オプジーボと化学療法による術前補助療法 非小細胞肺がんP3試験で好結果  小野薬品

 小野薬品は9日、オプジーボと化学療法の併用療法による術前補助療法について、P3相CheckMate-816試験において切除可能な非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対して無イベント生存期間を有意に改善したと発表した。提携するブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)が8日に公表したもの。
 対象は、切除可能なステージIbからIIIaの非小細胞肺がん(NSCLC)患者で、CheckMate-816試験では、主要評価項目である無イベント生存期間(EFS)の改善を達成した。予め計画された中間解析で、オプジーボと化学療法の併用療法は、化学療法単独と比較して、手術前に投与された場合、統計学的に有意かつ臨床的に意義のあるEFSの改善を示した。この併用療法は、以前に、同試験のもう1 つの主要評価項目である病理学的完全奏効(pCR)で有意な改善を示した。
 オプジーボと化学療法の併用療法の安全性プロファイルは、NSCLC を対象とした試験でこれまでに報告されているものと一貫していた。
 BMSは、CheckMate-816試験のデータ評価を完了させ、その結果を学会発表し、また規制当局とも共有していきく。CheckMate -816試験の結果は、以前に 2021年米国がん学会(pCR データ)および2021年米国臨床腫瘍学会(外科的予後)年次総会で発表されている。
 BMSとパートナーは、非転移性 NSCLCを対象に、術前補助、術後補助および周術期段階における免疫療法薬の使用、ならびに化学放射線療法との併用療法について研究を進めている。
 術前補助段階における免疫療法薬の使用には、二重の科学的根拠がある。腫瘍があるうちに免疫療法薬の治療を行うことで、より強い免疫応答を引き起こし、原発腫瘍に対して治療をより効果的にする可能性がある一方で、隠れた微小転移を標的とする機会も提供する。
 現在までに、オプジーボの有効性は、肺がん、膀胱がん、食道/胃食道接合部がんおよび悪性黒色腫の4 つのがん腫の術前補助療法または術後補助療法において認められている。

◆パリ・サクレー大学、呼吸器内科教授兼パリ Thorax Institute Curie Montsouris 部門長のNicolas Girard(M.D.、Ph.D)氏のコメント
 切除可能な非小細胞肺がんの手術は治癒を目的にしているが、患者の30%から55%が手術後に再発を経験し、最終的にはこの疾患で亡くなられるため、こうしたサイクルを阻止し得る別の治療選択肢が強く求められている。
 オプジーボと化学療法の併用療法による術前補助療法で認められた無イベント生存期間に対する肯定的な結果は、画期的なものであり、切除可能な非小細胞肺がんに対する治療方法に重要な意味を含んでいる。

◆BMSバイスプレジデント兼胸部がん領域開発担当のAbderrahim Oukessou(M.D.)氏のコメント
 CheckMate -816 試験は、非転移性非小細胞肺がん患者の術前補助療法として統計学的に有意かつ臨床的に意味のあるベネフィットを示した免疫療法薬を含む併用療法による最初のP3相臨床試験である。
 オプジーボと化学療法の併用療法は、初めて、外科手術の結果に影響を与えることなく、病理学的完全奏効率で統計学的に有意な改善を示した。今では、患者さんの病状の進行、再発がなく、また患者さんが亡くなられることなく、生存期間を延長した。
 CheckMate-816試験の無イベント生存期間のデータにより、オプジーボを含む治療法を非転移性がんの初期段階(ステージ)で使用した場合、長期的な臨床予後を改善する可能性があるという根拠が裏付けられた。

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