タグリッソ 日本で早期肺がんに対する術後補助療法の適応追加を申請 アストラゼネカ

 アストラゼネカは30日、タグリッソについて、早期肺がんに対する術後補助療法の日本における適応追加申請を実施したと発表した。適応は、上皮成長因子受容体遺伝子変異陽性(EGFRm)の非小細胞肺癌(NSCLC)における術後補助療法。
 日本国内で肺がんは、罹患率が高く、最も死亡率の高いがん種であり、2020 年には約12万9900人が肺がんと診断され、死亡者は約7万5500人に上る。
 肺がんは、NSCLCと小細胞肺がん(SCLC)に大きく分けられ、肺がんと診断された患者の80~85%は NSCLC に分類される。
 また、日本を含むアジアにおいて、NSCLCの約30~40%が EGFR 遺伝子変異陽性と診断されており、欧米と比較してEGFR遺伝子変異陽性の割合が高いことが知られている。
 NSCLC患者の約25~30%は、根治切除可能と診断されるが、これら患者の多くが、手術(腫瘍の完全切除)あるいは、手術および術後補助療法としての化学療法を受けても再発を経験している。
 タグリッソは、早期肺がんの術後補助療法として米国、欧州および中国を含む50 カ国以上の国で現在承認されており、その他の国々でも承認申請に向けた議論が進行中である。
 日本国内においては、2016年3月に「EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)に抵抗性のEGFR T790M変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌」の適応で承認取得し、2018年8月には「EGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌」の適応拡大承認を取得している。

◆大津智子アストラゼネカ執行役員研究開発本部長のコメント
 これまで早期肺がん患者さんの多くが、腫瘍切除手術を行い、化学療法による術後補助療法を受けていても再発を余儀なくされてきた。
 P3相ADAURA試験のデータでは、タグリッソが早期EGFR遺伝子変異陽性肺がん患者さんにおける再発または死亡のリスクを大きく低下させることが示された。
 日本の NSCLC 患者さんの多くが EGFR 遺伝子変異を有しており、これら患者さんの予後を改善させる可能性のあるタグリッソを一日も早くお届けできるよう、承認取得に向けて努めていく。

タイトルとURLをコピーしました