オプジーボ FDAが高リスク尿路上皮がん術後補助療法で承認  小野薬品

 小野薬品は23日、オプジーボについて、米国FDAが高リスク尿路上皮がん術後補助療法で承認したと発表した。提携するブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)が20日に公表したもの。
 対象は、術前補助化学療法やリンパ節転移の有無、PD-L1 の発現レベルにかかわらず、根治切除後の再発リスクが高い尿路上皮がん(UC)の術後補助療法。用法・用量は、オプジーボ240mg の2週間間隔投与あるいは480mgの4週間間隔投与(点滴静注)。
 同承認は、オプジーボ 240mg(353例)とプラセボ(356 例)を比較したP3相CheckMate-274 試験に基づいている
 今回の申請は、一刻も早く安全かつ有効な治療薬を患者に届けることを目的とするFDAのリアルタイムオンコロジーレビュー(RTOR)パイロットプログラムの下で審査され。
 同試験において、オプジーボ群は、プラセボ群と比較して、無病生存期間(DFS)の中央値を2倍近く延長した [オプジーボ群:20.8カ月;95%信頼区間(CI):16.5 – 27.6 vs プラセボ群:10.8カ月;95% CI:8.3-13.9]1。
 オプジーボ群は、プラセボ群と比較して、再発または死亡リスクを30%低減した [ハザード比(HR)0.70;95%CI:0.57-0.86;P=0.0008]。PD-L1 発現レベルが1%以上の患者において、DFS の中央値は、オプジーボ群(140 例)で未達(95% CI:21.2 – NE)、プラセボ群(142 例)で8.4カ月(95% CI:5.6 – 21.2)で、オプジーボ群は、プラセボ群と比較して、再発または死亡のリスクを45%低減した(HR 0.55;95% CI:0.39 – 0.77;P=0.0005)。
 オプジーボの「警告および注意」には、次の事象が含まれている
 重度かつ致死的な免疫介在性肺臓炎、免疫介在性大腸炎、免疫介在性肝炎および免疫介在性肝毒性、免疫介在性内分泌障害、免疫介在性皮膚関連副作用、腎機能障害を伴う免疫介在性腎炎、その他の免疫介在性副作用、Infusion reaction、同種造血幹細胞移植(HSCT)の合併症、胎児毒性、および多発性骨髄腫患者におけるサリドマイド類似体とデキサメタゾンの併用療法にオプジーボを追加投与した際(比較対照試験以外では推奨されません)の死亡率の増加など。
 CheckMate-274試験の結果は、2017年2月に、プラチナ製剤を含む化学療法による治療中または治療後に病勢進行した、またはプラチナ製剤を含む化学療法の術前補助療法もしくは術後補助療法から12カ月以内に病勢進行した局所進行または転移性のUC患者の治療薬として承認されたオプジーボの迅速承認の確証となる。
 これらの結果により、この設定におけるオプジーボの迅速承認は、通常承認への移行をサポートするものとなる。

◆マウントサイナイ・アイカーン医科大学、ティッシュがん研究所のトランスレーショナル・リサーチ副所長でCheckMate -274 試験の治験責任医師のMatthew D. Galsky氏(M.D.)のコメント
 今回の承認は、膀胱や尿路の一部を切除する大規模な手術を受け、尿路上皮がんの再発リスクを低減するためのさらなる治療アプローチを必要としている患者さんにとって重大なマイルストンである。
 オプジーボは、 CheckMate-274試験の安全性と有効性の結果に基づいて、疾患の再発または死亡のリスクを低減することが示され、FDAにより承認された新しい治療法を提供し、この疾患において新たな標準治療の選択肢となる可能性がある。

 ◆BMS心血管疾患・免疫疾患・がん米国担当のシニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネジャーAdam Lenkowsky氏のコメント
 免疫療法における当社の最先端の研究はこれまでに多くのがんの治療方法の変革に貢献してきたが、これらの進歩を特にアンメットニーズの高い深刻ながんの早期段階の患者さんにお届けしていく。
 尿路上皮がんは、オプジーボが術後補助療法で最初に承認されたPD-1阻害薬で、3つ目のがん腫となる。この進展により、これまでに術後の再発を防ぐ承認された治療選択肢がなかった尿路上皮がんの患者と医療従事者との話し合いに新たな希望を提供できる。

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